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    ゆ!ま!

    🌈 🕒散文など。*suuki*🌊👔
    捏造過多、解釈違い、許して下さい・・・。
    ここにある文章についてだいじなこと→薄目で見てパッションで理解する!!!

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    ゆ!ま!

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    🌊👔の関係について。2人がどうやって始まってどうやって終わったのか。👔の独白。

    「恋」―――


    その日は週末で、僕は仕事終わりに一旦帰宅して簡単に家事を済ませてからスハの家へ向かった。休日を共に過ごすことも、週末に互いの家を訪れることも当たり前のようになりつつある頃だった。

    「夜にお菓子を食べなくなったね」
    それは、恐らく何の意図もなく、ただ何気なく思いついて言われた一言だった。しかしそれが「お前は変わってしまったね」という意味にしか受け取れなくなっていた僕は、どうしようもなく悲しい気持ちになった。
    「子供じゃないから」
    おどけて返したが、スハの方は初めから何一つ変わらない。なんで?そんなのは決まっている。
    自分だけが自分じゃなくなっていくのはこんなにも苦しい。飲み飲んだ言葉はもうずっと行き場をなくしていた。

    欲しいのは愛だ。

    理解されたい。わかって欲しいと願う事は子供じみている。年上だから、彼の前では余裕を持たなければならない。我儘を言うのもダメ、困らせたら格好悪いから。僕がリードしてあげるのが理想。だけど、それが完璧に出来たとして、それは果たして自分か?間違っていないか?心の中で何度も叫んだ。気付いて、気付いて、気付いて。何も口にしないまま伝わるわけもないのに。それでもじっと、我慢ばかりしていた。
    本当の自分を押し殺して何が愛だ。

    「かわいいね、ガオン」
    「そうでしょう?付き合う?」
    「いいよ」

    冗談でしかなかった。可愛いねって言われたから、じゃあ付き合う?って、冗談でしょう?なのにいいよなんて言うから、それで調子が狂ってしまった。

    「オイオイ本気にしちゃうじゃん」
    「本気だよ」

    あの時、冗談だってなんで言ってくれなかったの。その時のスハの目があまりにも真剣だったから、信じてしまうしかなかったんだ。

    「それなら……別に、付き合ってあげてもいいけど……」

    笑ってよ。笑って嘘だって言ってよ。なんで?だから嫌だったんだ。最初から信じたくなんてなかった。始まったら、いつか終わってしまうから。
    ずっとずるい男だと思っていた。僕ばかりが苦しくて、スハは何も変わらずに笑って、涼しい顔で「可愛いね」と言う。


    その週末、7月の半ば、夜になっても空気は冷えず外は不快なほど蒸し暑い、その日。行き場を無くしていた感情がついに溢れた。いよいよ耐えきれなくなって、半ば勢いでもう無理だから前みたいな関係に戻ろうと提案した。きっとスハもそれがいいと思っているに違いなかったから。それなのに。

    「付き合ってあげてもいいって言ったのはガオンでしょう?それを私が終わらせるのは違うと思う」

    何を言ってるんだと目眩がした。
    それこそ冗談だろう。本当に、どこまでもずるい。

    「いいよ、わかった。別れてあげる。スハとはもう終わり。これでいいでしょ?」

    結局本気だなんて言っても遊び感覚だったんだ。ゲームと一緒。楽しそうだと思って初めてみても、実際はそうでもなくて、惰性でだらだら続けていただけ。ゴールなんてあっても無くてもどうせ興味が無かったんだろう。リタイアできて良かったな。ちくしょう、ちくしょう、バカヤロウ、なんなんだよお前は、ほんとにムカつく、好きだよ、好きだったよ。お前の事が、本当に好きだった。
    その後どんな会話が続いたのか今となっては細かく思い出すことが出来ない。さすがに悲しくて、1人になりたくて、たくさん叫びたくて、涙が溢れるのを必死に耐えてスハの家を出た。外は満月で明るい、悲しみの渦を胸に抱えながら、早足であてどもなく町を歩いた。街灯に群がった虫がばつんばつんと音を立てる。深夜のコンビニには1人も客がおらず、酷い顔をしながらろくに銘柄も見ず適当な酒をカゴに入れた。
    やっとの事で帰宅して、靴を脱いで、手を洗って、魂が抜けたように真っ暗なワンルームに立ち尽くして、そして涙が1粒こぼれた時、ようやく思い出したようにわあわあと叫び出す事ができた。

    その日は今まで泣けなかった分たくさん泣いて、いつの間にか眠って、そして朝が来た。
    非日常的な感情に支配されて苦しかった夜も、朝の音に紛れ、光に、匂いに薄らいでいった。

    今だから思えるが、結局は以前の関係に戻った方が楽でよかった。
    未だに正解は分かっていないけれど。


    今、スハは浮奇ヴィオレタという名前の男の子と仲良くしている。自分に対してはやや強気だったスハも、彼の前ではペースを乱されて顔を真っ赤にしている。見たことの無い姿だった。
    アルコールの入ったスハが、「who is your man」と浮奇に詰め寄ったのを見たとき、ようやく自分の「恋」が終わった事を知った。




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    ゆ!ま!

    DONE🌊👔妄想。2人が付き合っていて、どんな風に夜を過ごしたのか。後に別れる前提なので甘くないです。説明っぽい。本当は甘々がいい。
    「のぞむよ」―――



    スハは隣で無防備に眠る可愛らしく整った顔を見た。安らかな寝顔にしばし見入るが、ふと配信時の明るさと配信外で時折見せる賢者の海の目について思った。彼が抱えるものに少しでも寄り添えたら、そう思うようになったのはいつの頃からだったか。

    明るく子どもっぽく笑い、時に悪戯にあざとく、年上とは思えないくらいにとても親しみやすい。それが初めの印象。そのうちに、彼には臆病な面もあって、ああだこうだと考え込みやすく、初対面の人物と打ち解けるのには時間を要するのだという事が分かってきた。
    そうして知れば知るほどに、どうしてもこの可愛い人にちょっかいを出したくてたまらなくなった。気になって仕方がない、これが恋なのだと自覚した時には、きっと近いうちに自分はこの人を思う存分に抱き締めてみせるのだという根拠の無い自信に囚われていた。イタズラなおねだりも、わざと作った可愛い声も、全部冷たくあしらって、それで拗ねてしまう顔を見るのが好きだった。宥めるように頭を撫でると怒られるが、言葉に反して少しだけ嬉しそうな顔をしているのには随分前から気付いていた。
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