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    funa_314

    @funa_314

    ふかせつレト先生とTOAのじぇいるくとRS2Rの傭兵と第二皇子が好きな人。

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    funa_314

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    我慢させてる方向を見誤ったジェラ様の短いヘクジェラ話。R18。

    貴方のすべてを。ヘクターが自分を抱く時は意外にもとても優しいものだった。
    そもそもジェラールに男に抱かれる経験など皆無なので比較対象も無いのだが。
    なんなら閨教育を本を見て受けただけで女性との同衾経験も無い。
    そんな未経験の塊であるジェラールを相手にしているが故にヘクターに我慢を強いているのではないか。
    ヘクターが満足できるよう自分も頑張ってみるべきではないのか恋人という対等な関係なのだから。
    そう思い立って昼のうちに訓練所近くで見かけたヘクターの小指に自分のものを絡めて誘いの合図を送り、了承の返事まで得た。
    どんな無理をされたとしても明日は仕事を全く入れずに1日ゆっくり出来るようにもしている。
    明日の仕事が詰まっているようならそこにも配慮した上での睦み合いとなる事も前にあったので計画は完璧だ、とジェラールは意気込んだ。



    「や、ぁ、まって、ああ!へくたあ、そこもうさわっちゃ、だめだって、ば、あ……!」
    「でもここ触ると凄く可愛いジェラール様が見られるじゃないですか。オレの可愛いジェラール様を見せて欲しいんです、もっと。」
    ジェラールの計画は完璧だったと思う。明日1日休みにしたのも我ながら英断だった。
    だけども我慢させていたと思っていた事がジェラールからしても予想外だった。
    てっきり激しくなるものだと思っていたので無駄と思っても身体の柔軟に気をつかったり、身体に痛みが残ってもすぐ対処できるように寝台近くに薬も用意しておいた。
    だのに目の前のいる自分にしか見せない見せて欲しくない蕩けるような笑顔を浮かべてジェラールをその瞳に映しこんでくれるその男は違った意味でいつもとは違う行動に出た。
    まず身体中の隅々を撫でられ、食まれ、舐められた。
    髪を食まれるなんて自分の所有する馬にはされたような気がするがそんな動物的な事をされると思わなかった、いやでもヘクターは犬のような、猫のような所もあるような気がする。
    髪には神経など無いはずなのに何故かジェラールの身体は反応してしまう。
    「やぁ、やだ、髪なんておいしくない…!でしょ…!っ、う、ああ!」
    ヘクターは髪に口付けながらご満悦の表情だ。
    「貴方の髪はずっと砂糖菓子みたいで可愛いなと思ってて…舐めたら甘いんだろうなと。」
    と言いながら舌を出し本当に舐めてくるのでジェラールはヘクターの髪に手を掛けて引き離そうとするがそれまでにされた色々によって身体に力が入らないのだ。
    「うぅ...っ、ふ、ぇ、っ...っ。」
    どうしていいかわからなくなり弱くなった涙腺が刺激され丸い緑の瞳からぽろぽろと零れ始めるジェラールの涙をもヘクターは舐めとる。そのまま瞳そのものまで触れられた気がした。
    「だ、だか、っらあ、だ、だめ、って...!」
    「どうして?」
    「だ、って、き、き、たないから...!」
    「涙なんて面倒なものだと思ってましたけど、貴方の流す涙は綺麗です。でも前のオレはアンタを悲しませて、泣かせてましたよね...?」
    先程までの強引さが鳴りを潜めて突然ヘクターがしゅんとした顔になる。
    ジェラール自身が許したとしてもヘクター本人がずっと許せない時期の頃だろうか。
    確かに自分の姿を見た途端にふいと顔を他所に向けるヘクターを見るのは辛かった事もある。
    でもその頃のジェラールが弱くて、諦めが早かった事も事実だ。ヘクターだけが悪い訳では無い。
    「た、確かに寂しかったと思ったこともあるけど、でも...今はこうして私の事をちゃんと見てくれて、私の姿をこんなに近くで君の瞳に映して貰えて...その...。」
    ジェラールが前から思っていた事なのに肝心な部分が言えなくなる。こんな事を言ったら重いのではないか。
    そう考えて重くなる唇をヘクターの指が触れてくる。大きくて、硬くて、それでもジェラールを慈しんで触れてくれるからとても柔らかく優しいとさえ感じてしまう。
    「教えてください、オレにとって凄く嬉しい事だと思うから。」
    今の状況すらそうなのだ。でもずっと避けられていた瞳がジェラールを真っ直ぐに見て、ジェラールを愛しいと思う気持ちが込められていると感じた時の幸せはあまりの事に受け止めるのも難しくて。
    「ゆ、ゆ...め、夢みたいだって...そう思..っう...っんん――!」
    最後まで言い切る前に触れる事すら想像も出来なかった大きな手のひらに側頭部を抑えて引き込まれ熱い唇によってジェラールの言葉は打ち切られた。
    あの時のヘクターと、ジェラールに苦言を呈したその時と同じ唇に翻弄される日が来るなんて、夢にも思わなかった。
    やっとヘクターが離れてくれたが口付けというには可愛すぎる行為の時に飲み下しきれなかった唾液でジェラールの口元は濡れてしまった。それも恥ずかしくて自らの両手で顔を隠すがヘクターがそれを許さず指の1本1本にも口付けてくる。
    「俺もです、こんなに可愛らしい貴方が見られるなんて思わなかった。本当に、夢みたいだ...。」
    傍若無人を絵に書いたような男だとヘクターを評する話もジェラールは良く聞いていた。金貨の枚数だけを気にしてどんな汚れ仕事でも請け負う仕事だと貶める言い方をする人も見られた。
    そのヘクターが今ここで、ジェラールの1番近くでジェラールとこうしていられることが夢のようだと言ってくれるその事実もジェラールにとっては夢のようで、先程収まった涙がまた溢れてしまう。
    「今ここにいる私は夢なんかじゃないし、君を愛しいと思う心がある事も夢じゃない、本物だよ。」
    だから、全部掴まえていて。私にも夢じゃない事を刻み付けて。

    そこまでヘクターの瞳に自分を写しながら伝えたまでの記憶はジェラールに鮮明に残っている。
    その後はまた目尻に溜まった涙を吸われ、口元に残るどちらのものかもなんなのかも判別のつかない体液を舐め取られ、ジェラールの中心部を口で慰められつつ柔らかくされた秘部にヘクター自身の熱いものを迎え入れた後の事はあれだけ夢にはしたくはないと思っていたのに夢心地でしか覚えていない。
    ただ好きです、可愛い、愛しい、愛していますと繰り返し身体と心に教えられていた感覚だけはあった。
    「すみませんでしたジェラール様、せめて水分だけでも...。出来れば身体も...。」
    そうは言われてもヘクターによってどろどろに溶かされてしまった身体は言う事を聞いてくれない。
    痛くて動けなくなるかもしれない危惧はあったのに、夢のような幸福に蕩かされて力が入らなくなるという事は思いもしなかった。
    せめて仰向けにと何とか身体を起こすと影が降りてくる。そのままヘクターに口付けされたと思いきやジェラールの口内に侵入してくるのは舌ではなく水だった。
    少量の水でも喉を潤すことが出来たのでジェラールはありがとうと伝えて軽く笑う。
    「やらかしたオレが言うのも何なんですが身体中がですね...。」
    「ああ...。」
    あれだけ全身舐られて自分も出せる物は全て出したのではないかと感じる程なのでそれは汚れる事だろう。
    「一応その棚の所に水差しと布を用意して貰っているんだ...ただちょっとまだ起き上がれないかな...。」
    「オレが全部やるんで!ジェラール様は動かないでください!」
    そう意気込んでヘクターは手筈を整えてくれた。
    「ありがとう、もっと体力があれば迷惑かけずにすむのかもしれないけど...。」
    ジェラールがなんとはなしに愚痴を言うとヘクターが髪を撫でてくる。髪も絡まったりしてぼさぼさだ。
    それなのにヘクターはこれ以上ないと思える程幸せそうな顔を見せてくれる。
    「こういう所も可愛いジェラール様が見られるんです、これもオレへのご褒美だと思って全部任せてください。」
    ね?と甘やかしてくれるこの人をもう自分は手放せなくなってしまったのかもしれない。
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