相談 その家の扉を叩くと、賑やかな足音が聞こえてくる。家主であるマーサの後ろから、たくさんの子供たちがこちらを覗いているのだ。とは言え、知らない人は怖いのか、来客が誰か分かるまでは前には出てこない。そんな子供たちを代表するように、マーサが外まで出迎えてくれた。
「よく来たね。みんな待ってたよ」
室内に入ると、子供たちは我先にと僕を囲む。ぴったりと隣に張り付きながら、思い思いの話を捲し立てるのだ。みんな真剣に話してくれるけど、僕は聖徳太子ではないから、全員の声を聞き分けることはできない。
「ねえねえ、今日は何して遊ぶの?」「デュエルしようよ」「ダメだよ。今日は外でドッジボールをするの!」「わたしたちとおままごとをしてもらう約束だったでしょ」
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