撮影 スタジアムのデュエルコートは、人々の熱気で盛り上がっている。額から汗を流しながら、僕はコートの右側に立っていた。左でドローの構えをしているのは、タッグパートナーのルチアーノである。彼は勝利を確信しているのか、にやにやと笑みを浮かべていた。
これから回ってくるターンが、僕たちの運命を握っている。そんな仰々しいことを考えるが、緊張する必要は全くなかった。相手のフィールドはモンスター一体だけで、伏せカードはひとつもない。いつものルチアーノであれば、楽々攻略できてしまう状況だった。
悔しげな響きを含みながら、相手がターンの終了を告げる。ターンを受けたルチアーノが、甲高い声で開始を宣言した。楽しそうな声色でカードを握ると、一枚をフィールドに叩きつける。抵抗しようとした相手を、今度はゴースト・コンバートで封じた。
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