「浮気者」 その日、僕は旧サテライトエリアを訪れていた。遊星たちの育ての親であるマーサから、施設管理の手伝いを頼まれたのである。いくら雑賀さんがいるとはいえ、女手ひとつで子供たちを育てる彼女には、建物の整備までしている暇はないだろう。僕もマーサの家にはお世話になっていたから、二つ返事で了承した。
現地で雑賀さんと合流すると、二人で施設内の掃除を始める。家の中が綺麗になったら、今度は庭の手入れを手伝った。一通りの手伝いを済ませると、次に待っているのは子供たちの遊び相手である。夕日が建物の影に隠れる頃には、僕の身体はへとへとになっていた。
「そろそろ日が暮れる頃だから、遊びに来た子はお家におかえり。また明日遊びにおいで」
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