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    流菜🍇🐥

    @runayuzunigou

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    TF主ゆや。正統派に近い夢小説です。ゆーやくんに不意打ちでファンサされて心臓止まりたい人は私の他にもいると思う。

    ##アクファ夢小説

    ファンサービス スタジアムの座席からは、賑やかな歓声が聞こえてくる。この会場に集まった人々の多くが、彼のステージを楽しみにしているのだ。MCが会場を盛り上げると、観客たちは大声で囃し立てる。床を揺るがすほどの大声援が、会場全体に響き渡った。
     僕は、ステージの袖から会場を眺めていた。モニターに映し出された映像が、断片的に観客席の様子を伝えてくれる。座席には人がぎっしりと座っていて、一部には横断幕まで出ていた。
     隣に立つ遊矢は、少しも表情を変えていなかった。この光景も、彼にとっては見慣れたものなのだろう。口元に笑みを浮かべて、静かに観客席の様子を眺めている。そこに滲み出ている感情は、溢れるほどの期待と興奮だった。
     僕は、彼のステージに呼ばれていた。舞網市で開かれる、プロデュエリストによるエキジビションイベントに、ゲストの一人として呼ばれてしまったのだ。僕がランサーズの一員であり、彼と対等に戦えるほどの実力を持っていることが、主な選定理由なのだと言う。それは嬉しいことなのだけれど、僕はガチガチに緊張していた。
     当たり前だ。僕はプロデュエリストでもなければ、人前に出ることを好んでいるわけでもない。それどころか、少し前までは人前でデュエルなんてできなかったのだ。エキジビションのゲストとしてステージに立つなんて、考えたこともなかったのだ。
    「○○○、緊張してるのか?」
     隣から、男の子の声が聞こえてきた。顔を上げると、遊矢が僕を覗き混んでいる。瞳はキラキラと輝いていて、ステージへの期待で満ちていた。
    「そりゃあ、緊張するよ。僕は、大会なんて初めてなんだから」
     僕が答えると、彼はにこりと笑った。太陽のように輝く笑顔を向けると、諭すような声で言葉を続ける。
    「難しく考えるなよ。いつものように、オレとデュエルするだけなんだ。楽しもうぜ」
    「そうだけど……」
     そんなことでは、僕の不安は解けなかった。視線を下に向けたまま、会場のざわめきに耳を傾ける。こんな大勢の観衆の中に出ていくなんて、想像しただけでも心臓が縮こまってしまう。
    「なあ、耳を貸せよ」
     緊張したままの僕を見て、遊矢は優しい声を上げた。心配するような、穏やかな表情を浮かべて、そっと僕を見つめている。
    「こう?」
     僕は身体を屈めた。足を折り曲げて、顔が彼よりも低くなるように調節する。いつもは見下ろしている彼の顔が、今は同じ高さにあった。
     遊矢は、僕に顔を近づけた。綺麗な緑色の髪が、僕の目の前へと迫ってくる。何を言われるのだろうと思っていたら、不意に軌道が変わった。
     彼の唇が、僕の額に押し付けられる。ふわりと柔らかい感触がして、すぐに離れていった。ゆっくりと、彼の顔が遠ざかっていく。呆然として顔を上げると、いたずらっぽく笑う少年の姿が見えた。
    「緊張は解けた?」
     遊矢が、甘ったるい声で言う。いたずらをするような、誘惑するような態度に、心臓がどくんと音を立てた。僕が反応できずにいると、会場から彼の名を呼ぶアナウンスが聞こえてきた。
    「じゃあ、行ってくるよ」
     優しく笑うと、彼はステージへと駆けていく。その姿を、僕は呆然としたまま見つめていた。
     遊矢は、いつの間にあんなことを覚えたのだろう。プロデュエリストとして活動するうちに、ファンサービスの仕方を覚えたのだろうか。それにしてはやりすぎだ。僕は、驚きで心臓が止まりそうになったのだから。
     モニターの中には、遊矢の姿が映し出されていた。明らかに自分よりも年上の対戦相手に対して、いつものエンタメデュエルを繰り広げている。彼が口上を唱える度に、観客は歓声を上げた。
     気がついたら、緊張はすっかり解けていた。彼の口づけとエンタメデュエルが、僕の心を溶かしてくれたのだ。このデュエルが終わったら、僕もこの舞台の上に向かう。初めての大舞台が、少しだけ楽しみになった。
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