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    rubelu_

    @rubelu_

    創作小説・マンガ
    #DR-marionnette
    #星屑が降る

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    rubelu_

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    短編なのでオチは特に考えてません。

    ①魔法使いと悪魔くん!「居たッ!マホウツカイ!」
    「僕の名前は"マホウツカイ"じゃないって」

    書室に篭っていると、いつも通り窓を突き破って悪魔がやってきた。弁償代いくらかかると思っているんだ、今回こそ払ってもらうぞ。

    僕は悪魔を睨みつけて、また本に視界をうつした。まったく、迷惑だ。

    「何読んでんの」
    「君には関係ないだろう。早く出ていってくれ」
    「つめたいなぁ!それだから家来の人にヒキコモリボッチって馬鹿にされるんだぞ」
    「お前、死にたいのか」
    「もうとっくに死んでんだよ!悪魔だから!」

    うるさくて一ミリも集中できない。別に、誰に何を言われたって構わないし、気にしてないさ。…別に。
    席を外す。悪魔がついてくる。

    「…」
    「アレ?外に出るの。珍しい」
    「ああ、お前が邪魔で仕方ないからな。大体、どうしていつも僕の妨害ばかり。しつこいんだよ…悪魔らしく地獄に帰ればいいじゃないか!」
    「え…」

    しまった、言いすぎたか。顔を上げると悪魔は涙を溜めて立っていた。
    冷や汗が流れ、真っ青になる。泣かせるつもりじゃなかったのに。

    「わ、悪かったよ。熱くなりすぎた」
    「分かった」
    「え?」
    「そんなにオレが嫌いなら、帰るよ。迷惑かけてごめんね」

    羽を広げて、窓から逃げてしまった。行き場のない手を伸ばして、ふらりと降ろす。
    その日から悪魔は僕の元へ来なくなった。

    ⚪︎

    「やった…!完成した!」

    悪魔が家を去ってから月日が経った。誰にも介入されず、毎日魔法薬学の研究に熱中している。寂しくはない。家族は郷に行って帰ってこないし、家来も住民も陰口しか叩かない。

    だから僕は一人がいい。独りでいいんだ。

    (誰に迷惑をかけることも、泣くこともないんだから)

    ふと悪魔を思い出す。アイツは確かに面倒だけど、変わり者の僕に付き合ってくれるやつだった。悪いやつじゃない、というのも可笑しいものだが。
    キツく当たった理由は、僕が魔導大会で負けてしまったから。…まあ、ただの八つ当たりだ。

    「アイツは…関係ないのにな」

    机の本を退ける。写真が落ちる。

    「これは悪魔の」
    「返して」

    振り返ると、悪魔がいた。驚いて目を見開いた。僕が固まっていると悪魔は真剣な顔を近づけた。

    「それ、オレの大切な写真だから、返して」
    「…ああ。ごめん。ほら」
    「フン」

    前に会った時よりだいぶ大きくなって帰ってきた。何年経っただろうか、記憶では5年以上の感覚だ。
    「あの日、酷いこと言ってごめん」勇気を出して伝えると、きょとんとした顔をする。

    「前のコト気にしてるの?アハハ!人間って記憶力がいいんだね、どうでもいいコトまで覚えてるなんて!」
    「はぁ!?僕はお前のためを想って」
    「分かったよ。…実を言うと、地獄に里帰りしただけなんだよ。すっかり忘れててさあ」

    ………ハ?

    「まあ確かにムカついてたけど?ぶん殴ろうと思ったし?けど、マホウツカイの言葉で思い出して。そういう時期だったって」
    「お前、お前!」
    「ごめんって!あ、魔導大会負けたんだって?どんまい…どんまい…」
    「何で知ってるんだ」
    「見てたからね、地獄から」
    「地獄は底だろうが」
    「底だけにあると思ったら大間違いさ!」

    悪魔は楽しそうに笑う。僕はため息をつく。「何の実験してたの?」と興味津々に覗いてくる。「ああ…」瓶をとって彼に渡す。
    「バカにするなよ」「しないさ」「…」悪魔が不思議な顔をして瓶を覗き込んだ。

    「…君とまた会えるようにって、作ったんだ」
    「え?」

    瓶の中身を散りばめたら、宝石が出てきた。

    「わ!?」
    「それ、あげる」
    「いーの?キラキラしてて眩しくて…蒼い。なんだか、マホウツカイの瞳みたい」
    「だから…僕の名前はマホウツカイじゃなくて、ルゥ・レヴィだよ」
    「ルゥ・レヴィ……」

    宝石を見つめながら僕の名前を呟いた。何かを思い出したように、写真を手渡して、「大切なものだけど、ルゥにあげる」と言った。
    「え、そんなの悪いよ」「ううん、受け取ってほしいんだ。…これ見ても思い出せない?」首を傾げて言う。僕は写真を見つめた。

    悪魔が僕に抱きつき、楽しそうな顔で笑っている。いつだったか、前にこうしていたような。

    「お前、もしかして」
    「きみはルゥ・レヴィ。オレはトリー・サタン。大好きなオレの友達だよ!」
    「トリー…?」




    昔、いや、そう遠くない日だった。無邪気で破天荒な"悪魔くん"が街の財宝を盗んだという話を聞いた。僕は両親と久しぶりにお出かけをしていて、たまたま事件に巻き込まれたんだ。

    ___ああ、そんな事もあった。結局、悪魔くんは村長に捕まって、あまりに泣くものだから、可哀想だと思って助けたんだ。助けてやったから、もうバカな真似はよせって。

    「それで、最初にできた友達だから…記念に写真を撮ったんだ」
    「そうか。どうして忘れてたんだろう」
    「…家来がきみを『頭が変なヤツ』って憐れんで、魔術で、オレとの記憶を消したんだよ。酷いと思わない?きみは才能があって、優しいのに」
    「そう、なんだ」

    記憶のかけらが戻ったような、腑に落ちた感覚だ。君と僕は友達で、魔法使いで悪魔。

    魔法使いと悪魔くん。

    「やっと思い出してくれた。あ、酷い言葉も訂正してよね!」
    「いや。あれは普通にウザかったし」
    「ちょっとォ、友達になんてコト言うわけ!これだからヒキコモリボッチはさあ!」
    「お前から先に訂正しろってんだよコロス」
    「もう死んでるんだってばー!」
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