これから先も永遠に遠くで誰かが呼ぶ声が聞こえる。もう起きないと。
「にぃ、およそう。」
ベッドの隣に椅子を置いて座り、タケミチをのぞき込む男ーイザナ。ニッコリと笑顔を向けて、嬉しそうにタケミチを見つめる。
「おはよう、イザナくん。」
寝転んでるタケミチにイザナは顔も近づけ、軽く口同士をくっつける。
「にぃ、もう11時過ぎてる。おそようだ。」
いたずらっ子がするような笑顔をうかべるイザナに対して、タケミチは顔を真っ赤にさせて飛び起きる。タケミチが寝た時間は昨日、いや正確に言えば今日の深夜3時を過ぎた頃。12時になって、灰谷兄弟やら獅音やら鶴蝶やら、色んな人からメッセージが送られてきたり、電話がかかってきたり。やり取りをするうちにすっかりと寝るタイミングを逃していた。
3836