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    白川もひゃろく

    @MoHya06mok

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    白川もひゃろく

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    小説企画に提出したものをもう少し書き加えて完成させたものです。
    ❤️+💊。ブロマンスなイメージです。
    小説企画と同じく縦書きにしてみましたが…縦書きは難しいなぁ。

    #ドクターマリオ
    dr.Mario.
    #マリオ
    mario.
    ##ドクターマリオ
    ##マリオ
    ##小説

    お誘い小窓から橙色の光が差し込む時間帯。
    今日の最終試合の出場ファイターが、ステージ内から下りていった。
    場内からは、観客やファイター問わず、相手を労う言葉や、ファイターに応援をかける言葉。感想を言い合う言葉。様々な声と言葉が飛び交う、和やかな時間が流れている。

    様々な表情を見せるファイター達を。観客達を…ボクはただなんとなく、席に座ってぼんやりと見つめていた。
    今日の試合は、良い試合だった。ボク自身が出場した試合でも、全力を出しきり戦うことができた、と、満足な気分だった。

    「ドクター!おつかれさまー!またねー!」
    「うん。おつかれさま。」

    「良い試合だった。また手合わせ願おう。」
    「勿論だよ。いつでも相手するさ。」

    いつの間にか隣をすれ違っていく、何人かのファイターや観客と言葉を交わした。皆、横顔からでも満足感や安心感のある表情をしていた。
    1人、また1人と席を立ち、列を成して、それぞれの出口のドアへと向かっていく。

    徐々に空席が目立ってきた。
    隣にも、反対側の隣にも、もう誰も座っていない。
    橙色の光に照らされた、長い影だけが残っている。
    とはいえ、ボクが今何を待っているわけでもなく、でも帰りを急いでもいない。まあ、一番最後でもいいかという気持ちで、長い列を眺めていた。

    「お疲れさま。」

    場内の音を通り抜けて、はっきりと聞こえてきた。
    その声に視線を移すと、いくつかの空席を挟んだ向こう側に、マリオがいた。

    今日は1人で観戦と対戦をしていたつもりだったから、キミがいたことには気が付かなかった。寧ろ、今日はいないのだろう、
    とすら思っていた。
    ボクの試合も、見てくれていたのだろうか。

    「うん。お疲れさま。」

    お互い近付くわけでもなく、立つわけでもなく、今いる席から声をかけた。
    マリオが笑顔を見せた。
    ボクの声も、届いたみたいだ。

    そんなキミの顔を見たら、なんだかキミと話したくなってしまった。


    「「あのさ」」


    今度はお互いに立ち上がった。同じ声が重なった。
    そしてそのまま、あっ、という声も重なる。
    あっ、という瞳も重なる。
    なんだかそれがおかしくて、ふふっという声も重なった。
    ただそれだけだったが、楽しかった。
    やがて近寄ってきたマリオがまた口を開いた。

    「ねぇ!良ければこの後どこかにいかない?」

    …ああ、ボクもそれを言いたかったんだ。
    言いたいことまで、重なってたんだ。
    マリオをまっすぐと見つめて、答えを出す。

    「ボクも、この後キミとどこかに行きたい。」
    「キミから誘ってくれるなんて、嬉しいな!」

    マリオがとても嬉しそうに、にこっと笑う。
    でも、あれ、今、先に誘ったのはキミじゃないか。
    いや、今、ボクから、誘ったのか?
    どっちが誘っているのか、誘われているんだか。
    でも、キミの表情を見たら、同じように嬉しかった。

    「じゃあ、どこに行く?展望台?それとも、森の中?キミのことなら、ボクらの部屋でゆっくり話でも、する?」

    聞きなれた選択肢。
    どれも、いつもボクが行きたいと言う場所だ。
    でも、今日はどれとも当てはまらない答えだ。

    「キミの行きたい場所に行こう。」
    「ボクも、キミの行きたい場所に行きたい!」

    またふふっと笑った。
    なんだ。行きたい場所まで重なっちゃったじゃないか。
    全部おんなじじゃないか。
    あんまりにも重なるものだから、なんだかそれがおかしくって。
    どことなくくだなかった。
    でも、ボク達はただ嬉しかった。

    さて、これじゃあ一体、どこへ行けばいいのやら。
    結局、また決まらないじゃないか。

    場内には、暖かい時間が流れていた。

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