「愛しく感じろ!!トキメケ!!オレに!!!」むつぼし
瞼を開けると太陽の光が目を焼き、潮風が吹き抜けた。デッキにはハートのクルーと麦わら一味と侍たちが外の空気と解放感に喜んでいる。
始まりの時から変わっていない。
戻ってきたのか?おれの世界に。ローは即座にゾロを確認した。
ゾロはハートのつなぎを着ていないし海軍の制服でもない。子供でもない。片目だ。死んでもいない。
あとはまたネジが外れた己が現れないかということか。
ペンギンとシャチがデッキに出てきてベポやウソップたちに声をかけていた。それから二人はローのもとに来て報告を始めた。近海の様子やカイドウの情報を報告する姿に、ああおれの世界だと実感することが出来た。
どっと疲れが体中を巡った。
ローは二人に情報が足りない箇所を指摘し、30分以内に集まらないようなら出発すると告げ、その間ローは仮眠を取ることを伝えた。「アイアイキャプテン!」と敬礼するペンギンとシャチの後方にゾロが見えた。侍たちと麦わら一味とハートクルーたちも何人か混じって話をしていた。どっしり構えた姿と合わない視線にローは安堵を覚えていた。
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