運命の行く先 錬金術で失敗することはよくあることだ。例えば恋人であるカリムがペアだった時だとか、朝からやる気が全然なかった時だとか。今回は後者で、派手に鍋を爆発させた。ペアだった生徒はフロイドを恐れて遠巻きにしていたおかげで難を逃れたけれど、鍋をぐるぐる掻き混ぜていたフロイドはそうもいかなかった。
錬金術の教員であるクルーウェルが怒鳴るがどうでもいい、あまりに派手な爆発だったから逆にテンションが上がった。上がったは良いが、怒る教師から逃れることは出来ず、放課後には補習を受けることになった。せっかく今日はモストロ・ラウンジのシフトが入っておらず、バスケ部へ出る気にもならなかったから、カリムの元へ遊びに行こうと思っていたのに台無しである。上がったテンションもまた下がって、不機嫌さを隠せないし、隠そうとも思わない。
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