事実 長い髪が好きというわけではないようだが、ハン・ジュウォンは明らかに、ドンシクの伸び切った髪に惑わされている。
まだ恋人同士になる前に一度、このくらいの長さでビデオ通話をした覚えがある。
ドンシクにわざわざ顔を見せてくるのはミンジョンくらいだったから、嬉しいやり取りだった。残念ながらドンシクは話している間に眠ってしまったが、目覚めた時ジュウォンの寝顔が画面の向こうにあって、どうしようもなく愛おしい気持ちになった。
もう誰も喪いたくないという気持ちとは違う彼への愛情が溢れ、胸がいっぱいになった。
お互い電話をするにも遠慮がある状態を変えようと、あの時からもっと繋がれるように意識した。
「髪が長いの、見慣れない?」
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