仁王立ちのお内裏さまと酔いどれ三人官女「どういう状況かご説明いただいても?」
ふぅとため息をつきながら腕組みをした七海は、席に座りもせずにその場で仁王立ちしたままだった。
目の前には、テーブルの上に雑多に置かれた数々のグラスと酒瓶、食べかけの料理と皿からこぼれて散らばったピーナッツやスルメ、そして、家入と歌姫と冥冥。その横には…。
「歌姫が、今日はひな祭りだから女子ばっかりで飲み会をしたいと言うから…」
「いえ、本日皆様方がお集まりの主旨をお尋ねしたわけではなく…」
説明しようとした家入の言葉を七海が遮って、
「伊地知くんが、なぜこのような状態になっているのかをお聞きしているのです」
と、冥冥の横でぐでんぐでんに酔っ払って赤い顔でテーブルに突っ伏している伊地知を指さしながら憮然として言った。
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