証言 彼と私はいわゆる友人という関係でした。
いえ、もっと深い関係だったといっても過言ではないでしょう。恋愛関係?いやいや、そんな陳腐なものでもございません。
彼とは学生時代を共に過ごし、卒業後はとある事業に共に携わっておりました。ええ、ご存じのとおりです。
彼は優秀な技術者でした。あなた方もご覧になったでしょう?彼が後世に残した数々の発明品。あれは地に足の着いた地道な研究と、繊細かつ精密な作業を得意とした彼だから為せることの出来たものなのです。
私は彼の類稀なる優秀さと愚直なまでの真面目さが好みでした。凡人には百を言っても理解できないものを、彼は一言うだけで全て理解してくれました。もちろん、此方には検討も付かなかった答えも用意してくれる。
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