一旦、幕引き。「ねぇねぇ」
　こぽこぽ。
「なんだ」
　こぽ。
「ワタシも、見たことないよ？」
「……何を」
　ごぽ。
「えーとね、……海底遺跡と、秘宝の島？」
　こぽぽ、こぽこぽ。
「あと、黄金郷と忘れられた民の祭祀場と、ナントカ大陸だっけ」
　こぽこぽ、こぽぽぽ。
「ワタシも、見てみたいなぁ」
「…………」
　ごぽぽ。
「…………お前、どうしてここに還ってくる前に言わないんだ」
「言えば付き合ってくれたの？」
「……全部は厭だが、ひとつふたつぐらいは立ち寄った」
「え、珍しい。ワタシの頼み事を――」
「――大体は聞いてやっていただろうが。珍しいとはなんだ」
　ごぼぼぼぼ、ごぼぼごぼ。
　こぽぽぽぽ、こぽぽ。
「フ、フフッ、……そういえばそうでした！　なんだぁ、残念。言えばよかったなぁ。でも、眉間に皺がないのは珍しいよ。どうして？」

【希斯爱梅／ヒュエメ】伟大领航加雷马帝国已经为皇帝的出航忙碌了半年有余。

半年前，沿海的渔民带着一口棺材大小的鱼缸不远万里来到帝都，向当今的皇帝——索鲁斯·佐斯·加尔乌斯——献上他们集全船之力捕捞到的珍奇，一尾人鱼。

皇帝本该对这条人鱼有所兴趣。帝国上下人尽皆知，他对水畔的生物尤其感兴趣，但不能是普通的鱼，也不能是深海长相古怪的生物。皇帝感兴趣的并不是那些泛泛之辈，多年来的进献中，只有一条长着腿的肥大鲨鱼得他青眼……一阵。皇帝看到那条被五花大绑恼怒地大吼大叫的鲨鱼时，并没有感到不悦，反而少见地轻笑了一下，表情似乎略带怀恋。

渐渐地，帝国子民不再向皇帝进献那些过于普通或是长相丑陋的鱼类，渔民摇着船驶向外海，从大风大浪里打捞更美丽的生物，用性命来冒险以换取荣华富贵。