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    fmi_fuU

    @fmi_fuU

    20↑夢
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    🧢夢

    寒い/飴/読書 ぽつぽつと朝から降り出した雨は予報によれば今日一日中降るらしい。どんよりとした暗い空から降る雨は冬のそれらしくとても冷たい。もう少し気温が下がれば雪になっていたかもしれないな、などと考えてぼんやり窓の外を眺めていると「なァ」と下から呼びかけられた。
    「なに、グルス」
    膝枕の上ですーすー寝息を立てていたはずのグルスがぱっちり目を覚ましてこちらを見上げていた。
    「その本まだよみおわらないのか」
    「ようやく半分まで来たところ」
    彼と久しぶりに被った休みだというのにあいにくのこの雨で今日は家デートをすることなっていた。家デートと言ってはみたもののやることもなく私は最近すっかりご無沙汰になっていた読書を、グルスは前日まで任務だった疲れがあるのか膝枕を私に要求してそれきり静かな時間を過ごしていた。
    「かまってほしくなっちゃった?」
    「おう」
    冗談半分に言ったつもりがこうもあっさり肯定されるとは。
    「どうしてほしいのかなグルス君は?」
    言ってごらんと子供をあやすような口調で尋ねれば彼はしかし満面の笑みで「構ってくれるんだな!」と身を起こした。飴を前にしたかのように浮かれるグルスの頭にいつものキャップがあったら今頃ぴこぴこつばが揺れていたかもしれない。今日はオフでしかも家に二人きりなのでふわふわの若葉みたいな髪が揺れているのが見えている。
    「今日はすこし寒いだろ。だからもっとくっつきたい」
    職場ではあんなに賢く動ける王子なのに、恋人となると途端にあの直球な物言いが発揮されるせいなのか時々バカっぽいくらい素直に甘えてくる。それが恥ずかしいような嬉しいような。
    長い腕を広げたグルスが早くとでも言いたげにこちらを見てくる。私は彼のそういうところに心底弱くて結局彼の思うままに動いてしまうのだからやっぱりグルスは賢いのかもしれない。
    「グルスあれ着て来ればよかったのに。いつものもこもこコート」
    「……あんたあれ結構気に入ってるよな」
    ちょっと意地悪を言ってやると自分のコート相手に真剣に微妙な面持ちをする彼がおかしくって私は彼の腕の中で微笑んだ。

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    L5XU2BQpn8sTSCA

    DONE⚠︎最初から最後まで全部『ONE PIECE FILM RED』の結末のネタバレです。自己責任で。
    ⚠︎ONE PIECEを少し齧っている人間が書きました。原作と異なる点があるかと思います、ご容赦ください。

    REDからしばらく経ったある夜の話。

    見終わった後、速攻マブに連絡して生まれたオタクの幻覚です。
    マブに支部の垢バレるの恥ずかしいのでポイピクで。
    赤髪海賊団の音楽家 今晩レッドフォース号の不寝番を担当するのは、副船長のベン・ベックマンと何人かの船員。ベックは今日は甲板の担当だ。他は晩飯を食べ終わって、自由に過ごして勝手に自分の部屋で寝て始まる。
     僅かに残っている夜更かし共が集まる食堂にベックは足を運んだ。

    「まだ起きてんのか。誰か俺と当番代わってくれんのかよ」

     そう言うと全員揃って首を横に振る。自由にする夜更かしが好きなだけで、義務の夜更かしである不寝番は嫌なのだ。それを分かった上で揶揄ったベックはくつくつと笑いながら、小さな宝箱を開ける。あ、と小さく溢したのは誰だっただろうか。
     ベックはその中の電伝虫を手に取って、シーっと人差し指を口元に立てた。
     今日の波は穏やかで、雲ひとつない星空は宝箱と見間違うほど輝いている。そんな中、ベックはハンドレールに置いた電伝虫を起こした。
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