それはたった1つの▼▼▼
「シロちゃん…ここは一体何処…」
「うーんとね…ここは桃源郷だよ!」
視線を足元から前に向けると最初に見えたのは、何となく見覚えのあるような、あたり一面に咲き誇る桜。
真っ暗な世界で目覚めてから数時間。「シロ」と名乗る生き物に出会い、大切な人のいる場所を目指して旅に出た僕達は記憶を取り戻すために色々な場所を巡ることになり、やってきたのが、ここ桃源郷だった。
「というかシロちゃんて犬だったんだね。全然気付かなかったよ」
抱えた時にかなり重たく感じたので、どんな生き物だろうかと思っていたらまさかの犬。それも桃太郎と鬼を倒したという犬。信じ難い話だったけれど、どうやら事実らしい。
「白澤様?何か言ったー?」
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