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    ☆安静的关注

    浴衣でデートしてくれ。

    🐉🐗♀今、律と二人で少し遠くに来ている。
    普段は都内でデートをすることが多いが、今日は特別。ミルクさんはペットホテルにお泊り。私たちは以前から律が望んでいた温泉旅館へ。珍しく二人そろって連休が取れたのだ。

    海が見える旅館。広い温泉に浸かったり、律と二人で貸し切り風呂でのんびりしたり、普段の忙しさがどこか遠くに感じるひと時を過ごしている。
    今日は律の調子も良いようで、お昼もたくさん食べることができたし、散策しながら食べ歩きもできた。夕食時には海鮮料理をつまみながら、仲居さんに勧められたお酒を飲んで、おいしいと、幸せそうに微笑んでいたことが印象的だ。普段は、体のことも考えて控えるようにと、つい言ってしまうが、今日は特別。私も、律と同じくらいお酒を飲んだ。もし、律が体を壊してしまったら、私も一緒に壊してしまいたい。同じ苦しみを味わいたいと思う。個人差はあるだろう、バカなことをしていることも分かっている。しかし、律が飲酒するときは私もなるべく飲むようにいしている。

    お酒を飲んでいるときの律は、いつもよりも嬉しそうだ。私も、そんな律を見れることがうれしい。そして、もっとその顔を近くで見たくなる。律の一挙一動を見逃したくない。そんな気持ちにかられる。
    ふと、向かい合わせで座っていた席を立ち、律の隣に移動した。律は、拒否せずに、それを許してくれる。そう、律は優しい人なのだ。そのまま隣に座り、律の肩に頭をのせる。いつもの律のにおいに、温泉のにおいが少し。「すなおさん」頭上から、私を呼ぶ優しい声。「また、来ましょうね。」私は頷いて答えた。

    食事の片づけのタイミングで、律が窓から外を見ているような気がした。「律」私が律を呼ぶと、海を思わせるような、空を思わせるような…美しい瞳がこちらを向く。「どうしました?」「外に、散歩に行きましょう」私の提案に「いいですね。僕もちょうど行きたいと思ってました」と快く答えてくれる。二人で少し着崩れた浴衣を直して、おそろいの下駄をはいて出かけた。
    昼間は少し暑いくらいだったが、今はどこか涼しい風を感じた。どこかで名前も知らない虫が鳴いている。普段より、足取りが軽い気がする。横に並んで歩く、普段と違う服装の律を改めてみる。なんて素敵なのだろうか。大好きな律。月の光がその美しい銀髪を際立たせる。完璧な律。きっと、いつか、正気に戻った律は、私を見限ってどこかへ行ってしまうのだろう。いつまでも私の隣にいていいような人ではない。だから、せめて、今だけは、隣にいることを許してほしいと願ってしまう。でも、卑しい私はそれに満足せず、律をつかんで、一生閉じ込めておきたいという気持ちもある。そんなことを思っていたからか、つい、私の手が律の手をなでた。そのまま、律はその大きな手で、私の手を包んでくれた。この手に触れるのは、私だけでいいのに。
    「珍しいですね」律は柔らかい声で私にそう言った。「散歩に誘ってくださるなんて」そう、普段は律が提案することが多い。「律は夜、外を歩くのが好きですから。」と私は答える。私の知っている律の好きなもの。「ふふ、そうですね。すなおさんとの夜の散歩は特別好きですね」と律は笑ってくれた。その笑顔に私はまた見惚れてしまう。

    「すなおさんは、どこか行きたいところはないですか?」小川の辺にあったベンチで月を見ながら休んでいると、律が言った。「私は、律が行きたいところがいいです」心から、そう答えた。「でも、いつも僕が行きたいところばかりで悪いなと思って…」と律は言葉を続けた。優しい律。いつも、私を一番に考えてくれる。「ありがとうございます。しかし、私は、本当に…律が行きたい場所に行きたいだけです。ただ、隣に居させてほしいです。できれば、ずっと、ずっと、一緒に。律がどこにいたとしても、その隣に私は居たいです。」ぽろぽろと口から簡単に言葉が紡がれる。違う、律はこんな話を聞きたいわけではない、私が行き先を提案することを望んでいるはずなのに。
    しかし、律は「ずっと、ですか?」と少し驚いているようだった。「…うれしいです。僕も、ずっと、すなおさんが隣に居てほしいです。」と律は、満面の笑顔で私を見つめた。と思ったら、視界がふさがれる。目の前も、においも、私が感じるすべてが律で満たされる。抱きしめられたのだ。自分も律の背中に腕を回し、律の顔を見上げる。世界で一番価値のあるの宝石と目があう。唇に律を感じる。

    あぁ、なんて、なんて、幸せ。
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    ふと、一番近くの露店を覗く。恰幅の良い主人が

    「見ない顔だね、旅の人かい?おいしいよ!食べてきな!ほれ、味見して味見して!」

    とまくし立てながら揚げたばかりの商品を眼前に突き出す。手袋を外し、いただきますと一言。一口サイズのそれをぱくりと口に入れる。歯ごたえのあるサクサクの衣に、ふわふわとした魚介類の具の絶妙なバランス。程よい塩気の甘みにじわりと唾液が口に溢れる。脳内の情報が、これがクロケージャという料理だと告げた。一部の地方に伝わる、伝統的な祭事用の食べ物。
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