1714🎄 ◇
「あっ!燐音くん、おかえりなさい!」
夕方の帰宅早々、ニキのはつらつとした声が耳に届いた。今日は一段と元気な気がする。台所からは温かそうな匂いが漂っている。
「おう、ただいま。いい匂いだな」
「すぐご飯になるから、手、洗ってきてください!」
ニキはぱあっと目を輝かせ、たった今靴を脱いだばかりの俺に手洗いを促した。ニキに早く早くと急かされながら手を洗って食卓につくと、見たことのないたくさんの料理が机いっぱいに並んでいる。
今日は何か、特別な日だっただろうか?
机を挟んで向かいに座ったニキは、ふふふ……と得意気に口角を上げている。何かを企んでいる表情だ。出会った頃から思っていることだが、こいつは本当に表情が豊かだ。
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