2.ロロの思い出のダレカロロは記憶喪失だ。
それは親しい友人達なら知っている、ロロの過去だ。
ロロはあまり覚えていないが、何か辛いことがあって、雨林で記憶を無くしたらしい。
その時助けてくれたのがテオで、それ以前のことはほとんど全く覚えてない。
だが、ほんの時折、昔のことを思い出すことがある。
何かがきっかけで。
その日、ロロはいつものように世界を飛び回り、のんびりと風に吹かれながら過ごしていた。
何とはなしに、あまり人が通らない場所に行ってみようと峡谷の奥地、隠者の谷の山頂を目指し、雪景色を楽しみながらゴンドラを乗り継いで歩みを進める。
あそこなら誰もいないかな
そんな事を考えながら、雲の海の中にポツンと突き出た山の頭を目指して飛ぶ。
1914