ある日のランチタイム 六月の太陽光は眼球に悪い。肌がいくら焼けようが構わないが、瞼の裏にじくじくと疲労が蓄積される、あの感覚が苦手だ。ただでさえ、家に帰れば太陽よりも目に悪い男が月島の視界を覆い尽くすというのに。
廃墟と化した木造建築の解体作業も終盤に差し掛かっていた。頃合いだと踏んで、各々休憩をとり始める同僚達とともに、月島も日陰へと腰をおろす。
一昨日までの大雨が嘘のように、乾いた行楽日和だ。
水を飲み、ふぅ、と息を吐いて、今朝の鯉登を思い返す。
月島の為、毎日作る弁当を珍しく作り忘れたと一人で大騒ぎしていた。何処かで買うから気にするなと宥めても、鯉登は申し訳なさげにしょぼくれたままで、その様子がいじらしく、月島の口元を自然と緩ませる。
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