Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    しの@うる★

    @unigasuki_sin

    うる🌟二次創作/シ者竜だらけ絵の置き場
    ※🔞絵はここにしか置きません。悪しからず。

    ☆quiet follow
    POIPOI 59

    しの@うる★

    ☆quiet follow

    https://poipiku.com/6254286/7948878.htmlのつづき。
    あとついでにhttps://poipiku.com/6254286/7611881.htmlのイメージ。

    ##渚竜
    ##小説

    2.こんなに好きだけども一体何がきっかけだったのか、気がつけば目の前にいた竜之介の体を押し倒していた。
    日に焼けて所々ささくれている畳の上に転がった身体は自分より一回りも小さくて、うっかり潰してしまわないか不安を感じる。それでも、普段よりとずっと間近に感じる竜之介の存在に、渚は感嘆のため息を漏らした。その吐息さえも触れ合いそうな程の近い距離だった。
    そろりと手を頬に伸ばすと、想像していたよりも柔らかくて、それにもまた感動した。指と手のひらで撫でる滑らかでとても気持ちがいい。頬にべたりと貼り付けられてる大きな絆創膏が邪魔だと思った。
    渚の手がゆるりと動くたびに、小さく震える。
    不安や恐怖、緊張、そういったものが混ざった色の表情で渚の顔を見上げている。大きな目がせわしなく瞬きを繰り返すたびに、ぱさ、とまつ毛が揺れていた。
    悪いことしているな、と自覚はあった。
    (だからって、そんなに怯えた目をしないでちょうだいよ)
    それでも明確に抵抗されないのをいいことに、頬同士を触れ合わせ、すり、と動かすと組み敷いた体がビクッと震えた。手探りで、強く握りしめられていた両方の拳を開かせて、指を絡めた。
    こうすると、頬の柔らかな感触に加えて竜之介自身のにおいがより強く感じられる。こんなに近い距離でじっくりと彼女の存在を確認したのは初めてのことだった。
    ほんのりと甘い女の子の匂い、昨夜の風呂の石けんの名残、それとわずかに汗のにおい、その全部が渚の中にしっくりおさまる。こんなにも全てが愛おしく思えるなんて、渚にとっては予想外だった。
    (あぁ、気持ちいい。いい匂い。ずっと、こうしていたい。もっと触れたい、竜之介さまの全部に。)
    なぎさ、といつになく頼りなくて戸惑いを隠しきれていない声音で呼ばれるのすら、今の渚には心地よい。
    平時の竜之介なら、気に入らないことがあれば眉を吊り上げながらすぐに拳や蹴りを飛ばしてくるというのに、今日はやけに大人しい。
    渚としてもそこまでの力で抑え込んでるつもりもないし、竜之介とて決して弱々しいばかりの乙女ではないのだなら、力づくで抵抗されたらすぐにでも退くつもりでいたのに、やはりこの妙な状況に緊張しているのだろうか、渚の下にある体はこわばっている。
    再び、なぁ…、と掠れた声があがった。
    (あーあ、だめよ竜之介さま。そんな可愛いところ見せちゃ。食べたくなっちゃうから)
    その桜色の柔らかそうな唇にがぶりつきたくてたまらなくなる。
    自分の唇と触れ合わせたらどんなにドキドキするのだろう。どれほどの幸福を得られるんだろう。
    今なら強引に奪ってしまうこともできる。ほんの一瞬、互いの体のうちのほんの小さな面積を触れ合わせるだけだ。
    湧き上がってくる欲の衝動と、離れ難さを必死に押し殺しながら、渚はのそりと頭を上げた。
    改めて目に入る怯えた竜之介の表情に、罪悪感がちくんとトゲのように胸に刺さる。
    「……ごめんなさい……」
    自然と口から溢れた言葉は謝罪だった。
    「今日のことは忘れて……ね?」
    名残惜しさと、宥めるように最後にもう一度だけ。手の甲で竜之介の頬を撫でて、立ち上がる。
    夕飯の買い物に行ってくるわね、とそのまま放心している竜之介を残して家を出た。
    一間しかない藤波家はいつでも竜之介との距離が近くていい、と渚は思っていたけども、時にはひたすら厄介でしかない。
    (……やっちゃったかもしれない……)
    忘れて、と言ったところで、そうだなと一切忘れてくれるわけがないことは渚とて理解はしている。我ながら理不尽だ。
    つい先ほどの竜之介の怯えた姿を思い返しては、後悔と罪悪感に苛まれ、同時に頬の柔らかさと匂いも思い出して恍惚さえも感じてしまうのだから恋心は厄介だった。
    (帰るまでには平常心取り戻さないと。何もなかったのよ〜、って態度で。そうしたら忘れて……いやぁ、無理かも…。一発殴られてすむならいっそ安いもんだけど。竜之介さま、完全に固まっちゃってたし。)
    電柱に向かって、はあ〜、と大きなため息をつきながらその場にしゃがみ込む。長いスカートの裾が地べたに落ちていても、ちっとも構えない。

    (自業自得だけど、今度こそ本気で嫌われちゃったらどうしよう……)

    今の渚にとっては、何よりもそれが一番不安でたまらなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍😍😍🙏🙏💞💞🌋💞❤❤❤☺❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    たまの

    SPOILERなんかエロいことをしないと出られない部屋胸ぐらを掴まれ、押し倒された。
     ……ええと、二十センチ以上も身長の低い、女の子から。
     強引に唇を重ねてくる。勢いまかせなので、思い切り前歯がぶつかり合う。色気もへったくれもない。ちょっと待った、という言葉は口にする前に封じられた。
     ……正直に言います、本気の抵抗はしませんでした。
     だってこの状況、ちょっとオイシイだろ。困る相手ならまだしも。何してくれんのかな、って、好奇心。これも正直に言ってしまうか、シタゴコロ、ってやつだ。
     懸命に貪られて、舌を絡め取られて。いっそ抱き返してしまおうかと頭をよぎったけれど、もう一度歯がぶつかったところではたと我に返った。舌、切れたんじゃないのか、今の。

    「――ちょっと待っ……ちぃストップ!」

     両肩を押さえて制止する。完全に覆いかぶさる状態だった彼女を、下から支えるような体勢。なんだろな、この状況、どう考えてもオイシイんだけどさ。
     腕一本ぶんの距離で引き剥がされた彼女は、まともにこちらを見ることもできない。耳、真っ赤だぞ。

    「そんながむしゃらにならなくても……」
    「でもっ、だって、こうしないと出られないって、この部屋……」
    「たしかに 1223

    あるぱ

    DONE三題噺で一本/創作BL/新入生と先輩の初恋と宇宙(偏愛とは???) 恋は彗星のように

     光の白色、シリウス、ヘイロー、定常宇宙論。

     四月だと言うのに、妙に暑い日だった。ぼくは心臓が激しく脈打つことを意識しないように、好きな言葉で頭の隙間を埋める。
     ボイジャー、シドニア・メンサエ、ダークフロー、重力レンズ。
     言葉はぼくの血管に乗って身体中に回る。不思議と少しずつ脈拍は落ち着きを見せ、胸に何か詰まるような感覚は消える。後ろから、真新しい制服の人たちがぼくを追い越して、高い声で笑った。もつれ合う三人はそれでもまっすぐ進んでいて、ぼくはなんとなく、子猫がじゃれ合う様を思い浮かべる。また心臓が急ごうとするので、ぼくは立ち止まって深呼吸した。
     目を閉じると、ふ、と視点が浮かぶような感覚になる。見えるのはぼくの後頭部、道行くぴかぴかの生徒たち、さらにぐぐっと視点が浮上して、学校の校舎が見え、自宅が見え、遥か向こうの街並みの際が、緩やかに歪曲している地平線まで見える。上昇していくと、晴れ晴れとしていたのにそこには実は薄雲が張っているのだと分かる。対流圏を越え、成層圏に及ぶと次第に空の青色は群青へ、さらには夜のような黒色へうつり変わっていく。これが宇宙の色 2162