Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    しの@うる★

    @unigasuki_sin

    うる🌟二次創作/シ者竜だらけ絵の置き場
    ※🔞絵はここにしか置きません。悪しからず。

    ☆quiet follow
    POIPOI 49

    しの@うる★

    ☆quiet follow

    2022/12/6更新。
    ず〜っとちまちま書いてる話(ちょっとしたきっかけから竜ちゃんが渚への恋を自覚する話with専属アドバイザーサクラさん)年内に終わらせたかったけど終わるかなぁ、と思い始めたので尻叩き用に冒頭だけ。
    でも年内に終わらないと思いますね!😎私がもう3人くらいいないと無理。

    ##渚竜
    #小説
    novel

    1.こんなに好きなのにまさか自分がこんな早くに死んじゃって幽霊になるなんて、思ってもみなかった。
    でも幽霊になれてよかった。
    ずっと会いたかったあなたにようやく会うことができたから。
    そりゃあね、生きてる姿で会えたらもっと言うことなかったんだけども。しょうがないわ、死んじゃったもの。
    神様って、すごく意地悪なのね。



    死んでからの一年間、あの小さな島でずっと同じことの繰り返し、そりゃあお腹も空かないし眠くもならないけど、あーあ幽霊ってこんなつまらないんだわあって思ってた。テレビもラジオもないし、元々人里から離れた小さな島だから人間は誰も寄り付かないし。
    夜の海は真っ暗闇だし、退屈でたまらなかった。
    あたしもお父さまも何も変わらないのに、時間だけは毎日過ぎていって夜空に浮かぶ月の形も星の場所も少しずつ変わっていくのを眺めてたわ。
    なんのためにここにいるんだろう、早いところ成仏しちゃいたいなぁ、って毎日毎日思ってたのよね。
    肉体の苦しみはもうないはずなのに。不思議よね。

    「この世に心残りがあるから渚はまだ成仏できないんだね」とお父さまに言われた時に、ハッとしたの。
    お父さまもそりゃあ無念だっただろうに「ふたりして死んでしまってはウニ金時を完成させて繁盛も何もないだろう」って、なあんにも執着してなかったのよね。
    ただあたしにつきあってくれてるだけだったの。
    あたしがここでひとりぼっちにならないように。優しいでしょう?
    心残りなんて、ただ年頃の男らしく恋をしたかったな、好きな子とキスの一つくらいしたかったなってくらいで。
    ずうっと「許婚の竜之介さま」を拠り所にしてたから、まともに他の女の子に興味を持たなかったのよね。一途でしょ?
    名前しか知らなかったけども、子どもの頃から勝手に「許婚の竜之介さま」は女の子なんだって信じてたから。その直感は大正解だったわけだけども。
    その執着があたしをこの世に縛りつけてたのよね、きっと。
    お父さまみたいに執着を捨てちゃえば、成仏できたのかも。でもできなかった。


    ……ねぇ、竜之介さま。
    きっとあなたは知らないと思うけども。
    あたしはいま、恋してるの。あなたに。
    もちろん最初は許婚だから、だったけどもそれを抜きにしても、あなたのことを好きになっちゃったのよ。
    あなたのことが好きだから、毎日いつでもそばに居たいなって思うし、もっと知りたいし、とても大事にしたいし、触れたくなるの。
    それで、あなたにもあたしのことを好きになってほしいって思うの。
    ……恋って、とてもすてきな楽しいばかりのことと思ってたのに今は切なくてしょうがないのよ。

    あなたにキス、したいのに。
    できないの。
    だって、まだ消えてしまいたくないから。
    こんなに好きなのに。

    時々じれったくなって、たまらなくなるのよ。
    ねぇ、竜之介さま。わかる?
    あたしがこんな気持ちであなたを見つめてるって。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖💖💖💖😭😭🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    櫂 詫人

    MOURNINGとうらぶ 陸奥守吉行が審神者を斬った話。
    昔ブラック本丸が流行っていた時に「人を殺めるのに使われなかった初期刀を処刑に使われるっていいよね!」ってノリで書いたもの。冒頭のみ。
    こわれた吉行と本丸最期の日
     陸奥守吉行は初めて顕現された刀であり、誰よりも早く限界まで鍛え上げられた刀だった。
     もうこれ以上伸びることはないと感じ始めてから、初めて彼は一番隊を外され、他の部隊で戦慣れしていない刀の手伝いを任された。
     ある程度他の刀剣達も実力を付け、彼と同じく後輩刀を警護・引率するようになると、今度は遠征部隊へと配属された。成長の限界を迎えているため、任務達成してもただ満足感を得るだけだったが、実力のある彼がいればより長時間の遠征ができるし、お宝を持って帰れるので、別段損とは思わなかった。
     本丸に戻って結果を報告し、また長旅へと出る──その繰り返しだった。以前と比べ主と顔を合わせることはめっきり減ってしまったが、いつでも暖かく迎え労ってくれるため苦にはならなかった。むしろ遠征報告を楽しみに待っていてくれると思うと、自然と身に力が入った。
     そんな中、いつもどおり遠征から戻ってくると、本丸が妙にざわついていた。けしてそれは良い空気ではなく、むしろ不穏な気配さえ感じた。見知らぬ人間達が本丸内を占拠しており、中には刀剣の誰かと口論になっている声も聞こえる。
     胸騒ぎと 3622

    りんごと食

    DONE世界任務「日輪とカンナ山」後の二次創作小説です。
    万葉はあの羽を見た時に何を思っただろう、の疑問から書いた話。
    語り手は万葉くん。

    ◆男性主人公(空)が出てきます。
    ◆世界任務未達成の方はネタバレに注意してください。
    ◆山も谷もありませんし、カプ要素もありません(つもり)。何なら会話もほとんどしない、ないないづくしですが良ければ(´-`).。oO
    鶴観の後 風と大地の匂い、そして星空の匂いを纏う彼から懐かしい匂いがした。
     彼の今回の冒険の行き先は霧に包まれた過去の島、鶴観であったらしい。彼の地の自然はそこであった出来事を囁くように教えてくれるが、それが彼らの旅路にどんな意味を含ませたのか、万葉には推し量ることしかできない。尽きぬ嵐を抜けた先で、彼らは多くの別れを経験した。

     別れは、別れを予期したその時から始まる。唐突な別れには到底望めない心の準備とも言えるその悲哀の過程は、失われゆくものと残されるものの双方とって得難い救いとして機能する。童子が戯れに砂で塔を作るような無益も、緋櫻毬が大地に落ちる様に目を凝らして必死に見守るような不毛も、喪失さえ糧として生きながらえる人間にとって、必要な儀式の一環であろう。
    1946