願い
「...ねぇ、これ、きみのこと?」
汚い字で何かが殴り書きされたメモ帳を金髪の少年に差し出すジョーカー、カジノのオーナーに「この特徴に当てはまる青年を探すように」と言われてここまで来たのだが...
「ん〜..........僕のことだと思うよ、君、誰?」
「.....ジョーカー」
金髪赤目、左耳にイヤリングがひとつ。定期に路地裏に現れるどこか掴みどころのない青年。多分、彼のことで間違いはないだろう。そう確信したジョーカーは鞄の中から封筒を取り出し、メイオールの目の前に突き出した。
「たりる?」
150ドルが入った封筒、メイオールは封筒の中身を覗き見ると金額を数えることもせずにこう返した。
「何の依頼?」
「助かったよ、今日はいつにも増して人手が足りなくてね」
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