タイトル未定「おらおらー☆そこの前走ってる車とまれー☆さもないとこのすぺしゃる☆しゅがーはぁと砲でぶっ放すぞー☆」
「し、シン彼の者達にかような言葉を投げ掛けては余計に闘争心を駆り立てかねん!それにその魔具は我が長年の年月を経て精製した至高の一品であり断じてそのような名では...」
「細かいことは気にすんな☆それよりこっから先カーブあっからサタンくんが振り落とされないようにしっかり支えてなよアスラン☆」
「な、なんと汝はまた無謀なる試練を課そうというのか...」
「しゃべってると舌噛むぞ!...そーれ」
「ぬおお...」
「よーし距離詰めた☆このまま世界の果てまで追いかけっこっつーのも楽しいけどただ追いかけるのはぁとのシュミじゃないってゆーかぁ...。てことで、やっぱぶっ放す☆すぺしゃる☆しゅがーはぁと砲、くらえー☆」
「おおおなんという凄まじい衝撃...ふむ、我の精製せし魔具は他の者が生み出し物より精巧なようだな...」
「まー確かに威力ハンパないしアスランが凄いのは認めるけどさ。...ホシの車、原型留めてないけど中の奴らヘーキ」
「ぬ...よくよく思い返せば他の者より闇の力を増幅させることばかりに気に取られいたな...その力を受けし者のことは抜けていたな...」
「おいそれフツーにやべーやつじゃね☆とりあえず様子見てみっか...」
シンは車を止めアスランと共に禍々しい武器を放った場所へ走りだす。そこには黒焦げになった男3人組が伸びていた。
「あ、大丈夫。伸びてるけど生きてるわ。いやーこれで死なせちゃったら流石のはぁとも刑事やってられなくなっちゃうからなー♪」
「...我の精製せし魔具は非常に繊細だ。あのように粗雑に扱われてはいつか破滅の道を歩むことになるであろう。今後は少々丁寧に...」
「まあまあ、とっ捕まえたんだから細かいこといいっこなし☆...ほら、本部の奴らも追いついたっぽいし、はぁと達も引き上げるか♪」
「お、おい待たれよシン、まだ話は終演を迎えておらぬ」
舞台は近未来。大都市トーキョーでは大なり小なり犯罪の絶えない毎日が続いていた。警察の手にも負えない状況が続くなか1組の刑事の活躍により犯罪を犯す人々を次々と逮捕していく。
サトウシン。警視庁一の変わり者且つ実力者。その破天荒な言動と行動に振り回され同業者泣かせと言われる彼女だがその実力は確かな者。頼もしい味方ながら敵に回すと恐ろしいと言われている。
アスラン=BB II世。自らをサタンの仕えし者と称し肩に乗っけているサタンと言われているぬいぐるみを持ち歩いてる第二の変わり者。シンほどではないが優れた洞察力と武器精製能力を持ちシンの片割れとして奔走している。
このように世界一、いや宇宙一変わり者の二人のお陰でトーキョーの平和な成り立っているのだ。
「ハァ...シン、アスラン。お前らは何度言えば俺のいうこと分かってくれるんだ」
深くため息をついているこの男はテンドウテル。シンとアスランの直属の上司にあたり、誰も面倒を見たがらないシンとアスランの手綱役を買って出たのだ
「いやーだってあれくらいしないと捕まえられなかってゆーか...」
「わ、我は止めたしかしシンが我の制止を振り切ったのだ」
「あのなぁ...いくら犯人を捕まえる為とは言え市民の迷惑をかけるんじゃない。お前たちが危険な運転をしてたくさんの人が危ない思いをしたんだぞ」
「それは...すんません」
「我も、申し訳がなかった...」
「...まあでも今回のホシは、あのタカガキの組の奴ららしいからな。取り調べで有力な情報が出ればいいが...」
「ああ、最近勢力を拡大してるっていう組の...」
トーキョーの外れにタカガキカエデとその組織のメンバーたちが各地で暴れ周り迷惑行動を起こしているのは今から一か月前のこと。その勢力は徐々に広がり警察も手をこまねいてるという。
「しっかし目的が酒とギャグを世界に溢れさせるってちょっと...てかだいぶしょーもないってゆーか...」
「しかし市民達に危害が及んでるのも事実だ。お前達も引き続き調査に当たってくれ。目的はタカガキカエデおよびその組織の撲滅だ。」
「「はい」」
「そしてタカガキに俺のギャグの方が面白いって知らしめてやる」
「「...はい」」
「あいつ事あるごとに俺に連絡してきてギャグ勝負を仕掛けてくるんだしかも向こうの方が数も内容も上でいつも負けちまう...」
「いやはぁと達が死ぬほど動いてんのに何してんすかアンタら。ていうか仲良いな」
「何言ってんだアイツとは犬猿の仲だこうしちゃいられねぇ。俺もとっておきのギャグを思い出してタカガキをギャフンと言わせてやるぜー」
「なんかテルさんってはぁと達の上司になるべくしてなったって感じだな...」
「...うむ」
──月日は流れ警察署内とある研究室
「...その、シンさん...そろそろサタンを返してほしいのですが...」
「んーもうちょい待って...今採寸してるから...」
「...またサタンに着せる衣装ですか...」
「そーそー☆こないだ結構派手に暴れまくったから衣装汚れちゃったしせっかくだから新調しようと思って♪はぁとのお手製また着れるなんて滅多に無いんだから感謝しろよ☆」
「はぁ...僕としては早く返してもらいたいのですが...」
「だからもーちょっと待てって☆はぁとのことよりそっちは進捗どーよ」
「...こっちもそろそろ、です...」
そうアスランが呟く先には新たな武器が3、4つ置かれている。この頃タカガキ組との抗争が激化しつつあり武器のメンテナンスおよび新調のため少しずつ準備していたとはアスラン談とのこと。
「おー☆どれも強そうじゃんはぁととしてはもーちょっとピンクとかスウィーティーな感じが良いけど♪」
「...武器にそういった装飾は非効率だと思いますが...結構重いのが更に重量が増すと思いますし...」
「アスランは分かってないなー☆こーいうのははぁと好みにする事でモチベーションがアガるっていうかー女の子ってそういうとこあんだって☆」
(女の子...)
自分と同い年の女性を果たして女の子と呼べるのだろうか。そう言いかけたが十中八九言い終える前に鉄拳制裁を与えられそうなので口を噤んだ。
「おい☆今BBAのくせにって思ったろー」
「...いや...」
「まー良いけど☆ホントの事だし☆サバ読むなんてサラサラないしなー☆こういうのは気分だって話よ♪」
「はあ...」
シンはアスランに向けてウインクを交わす。黙っていれば相当の美人なのに喋るとああなるのは些か勿体無い気もするがそこが彼女の魅力と云うべきか。それを伝えればきっとつけ上がるだろうから絶対に言わないのだが。
「…よし、完成です…」
最後の仕上げを終えシンが使う武器が完成した。機能性と攻撃力を兼ね備えた今回も自信作と言える出来栄えだ。
「お?できたー?ちょうどこっちもサタンくんの衣装出来たよ。ほい☆」
そういってシンはアスランにもう1人、もとい1つの相棒を手渡す。頭部にはハート形の髪飾りのようなものがついており星が散りばめられた衣装を身に纏っている。そこそこいい歳した男の隣にこの装いのサタンが乗っかるととてもシュールな画がシンの眼前に広がったがお互い満足しているようだ。
「フフフ…ナーハッハッハッハ!!。此度もサタンに相応しい装束を精製してくれたこと大いに感謝するぞ!シンよ!新たなる装束に身を包んだことによりさらに我の魔力を増幅するようだ…!」
「お、いつものアスランに戻った☆相変わらずどういう原理か分かんねーけど☆はぁともおニューの武器出来上がったししゅがしゅがパワー全開って感じ☆」
「聞けばタカガキの同胞団との争いが絶えぬと我が同胞団の闇の囁きを耳にしたが...」
「あーなんか小競り合いが続いてるっぽいねー。でも大元がなかなか顔出さないからラチあかないってフユコちゃんが言ってたなー」
「ふむ、我々を導きし戦乙女のフユコをもっても手こずるとは、相手は中々の手練のようだな。」
「ま、やってる事は子どもっぽいけどな☆」
その時、2人が持っている無線が鳴った。
「はい、こちらしゅがー☆はぁとでーす☆...お、フユコちゃんじゃん☆どした」
「シンさん、アスランさんこちらフユコです今トーキョーの外れに新たなタカガキの組による暴動が起きてるみたいなんです〜しかも中心にいる人が見た事ない人で...もしかしたらタカガキ組の幹部に当たるかもしれません。テルさんからシンさんとアスランさんに出動するよう命令が下りました。直ちに準備し現場に向かってください〜」
「お、ついにはぁと達の出番よっしゃー武器も新調したし暴れまくるぞー☆」
「...粗暴な扱いはまた身を滅ぼす事となるぞ、シンよ」
「ちょっとやそっとじゃ壊れないようにしてくれたんでしょ」
「...フッ、シンが我の片割れとなり幾月が過ぎた。汝の動向も計算し尽くされている。...思う存分暴れるが良い。」
「言われなくてもそのつもり☆」
(...ハァ、やっぱあの2人と話すと調子狂うわー...)
無線を切り誰もいない作戦室で椅子を回す。マユズミフユコはシンとアスランの専属オペレーターとなり数ヶ月が経つが2人のテンションには未だについていけていない。
(てか、なーんでフユがあの2人の専属なのかしらねー...。上司の考えてる事もよく分かんないわ...ま、ちゃんと仕事はこなすけど。フユはちゃんとしてるから)
「んー言われた場所まで来てみたは良いけど...」
シンたちは辺りを見回す。目前には使われなくなって大分経っていそうな倉庫がポツンと聳え立っている。
「なーんもねーな☆人の気配もしないし…」
「無闇に大声を出すものではないぞ…。宿敵が闇に潜んでいるやもしれぬ。」
アスランは用心深く辺りを見回し警戒する。だが周りにも人の気配すら感じられなかった。さてどうしようかと頭を悩ませていたところ無線から連絡が入る。
『こちらフユコです!お二方とも現場には到着されているようですね。』
「お、フユコちゃん☆こっちはもう着いてるよ!でも誰もいないっぽいんだよねー」
『いえ、どうやら建物の中に立て籠っているようですね…』
「フム、何か籠城している理由でもあるのだろうか…」
「んー…もうめんどいし正面突破しちゃお☆」
『ええっ!?シンさん、幾ら何でも危険すぎます!ここは慎重に…』
「でもこのままだと埒明かなくね?膠着状態っていうのていうかそろそろはぁとが我慢の限界☆おいそこ更年期とか言うな☆」
『そんな事は誰も言ってないですけど...。アスランさんからも説得してください』
「...すまぬフユコ、シンは一度心を決めたら動かぬ意思を持つ戦乙女である故、我が魔力を持ってしても止められぬのだ...」
『は、はぁ...』
(...やっぱ調子狂うわねこの2人...)
「お、分かってるじゃんアスラン君♪という訳でカチコミ行ってきます☆」
『あ、ちょっと...』
「だいじょぶだいじょぶ♪でもマジでやばくなったらフユコちゃん頼むわ☆」
シンにそう言われて無線を切られる。フユコは一瞬固まったあと深いため息を溢した。
「...はあ...一応フユは止めたわよ止めたからねなんであの2人は状況考えずに突っ走るのよ尻拭いするこっちの身にもなりなさいよね...」
誰もいないオペレータールームでフユコはそこそこの声量で叫ぶ。ひとしきり叫んで気分が晴れたのかモニターを覗き込む。モニターにはシンとアスランが扉の前でどうにか扉をこじ開けようと画策しているようだった。
「...まったく...。こんだけサポートとするのはフユくらいなんだからありがたく思ってよね...」
フユコは慣れた手付きで目標の建物周りを調べ始めた。
──一方その頃
けたたましい銃撃音が鳴り響いた後、固く閉ざされた扉は大きな音を立てて崩れ落ちる。
「...ふぃー、意外と頑丈だったな☆ぶっ壊すのに結構時間かかったかかった♪」
「...やはり審美眼の鋭い戦乙女フユコの通り正面突破は危険ではないだろうか」
「ここまで来て何言ってんだ☆ほら行くぞー!」
「ま、待たれよシン...」
2人が暗闇の倉庫の中を進む中、何処からか声が聞こえてきた。
「ウフフ...まさか正面から向かってくるとはね。馬鹿なお2人さん...」
「む、この声は...」
「お、ようやくお出まし〜良いから姿を現しなさ〜い!このしゅがー☆はぁとすぺしゃるで華麗にとっ捕まえるぞ☆」
そう言うと暗闇の中から1人の女性が現れた。
「悪いけど負けるのは貴方達よ。カエデ率いるタカガキ軍の幹部、コムロチナミが直々にお相手してあげるわ。貴方達にはなんの恨みもないけれど...ここでリタイアして貰うわ。」
タカガキカエデが率いる軍の幹部の1人、コムロチナミ。その美貌とプロの歌手顔負けの歌唱力とモデル泣かせの抜群のプロポーションで男女問わず骨抜きにしていると噂されている。
「うっわ色っぽ...。何食べたらあんなデカい胸ができあがんだ...」
「し、シン。相手の色香に惑わされてはいかん」
「おっといっけね☆思わずやられちゃうとこだった☆。ま、スタイルならはぁとも負けてないしほらほらセクスィーでしょー♡」
「.....」
シンの自称セクスィーポーズを前に何も言わず目を逸らすチナミ。
「...おいそこ目を逸らすのはともかくなんとか言えよ☆」
(私達の軍を手こずらしてるって聞いたからどんな強者か期待してだけど...本当にあの人がサトウシンなの後ろの男はなんだかオドオドしてるし...はっきり言って私の敵じゃないわね)
「...アピールタイムは終了ならそろそろ勝負に移りましょうか。こちらも時間がないの」
「お、やるかー今のはぁとなら誰にも負けん...的な」
相手が動き出したのを機にシンは持っていた武器を構える。
(...さっきと目つきが変わったわね。フフ...少しは楽しめそうだわ)
チナミは楽しそうに微笑んでいる。
「随分物騒なものを持っているようだけれど...生憎その武器は扉を壊す以外に使う事は無いわ。」
「へどういう事」
「私とは...これで戦って貰うわ」
そう言うとチナミは指を鳴らす。そして何処からともなく光が一点に集中しとあるものを照らした。
「くっ...この眩い光は...。これも敵の策略か」
「まぶしっ...。ってアレは...」
目が眩むばかりの光に目をやるとそこにはダーツマシンがポツンと佇んでいた。
「「...ダーツマシン」」
「そう貴方達には今から私とダーツで対決して貰うわ」
高らかに宣言するチナミの顔は何処か誇らしげだった。その様子に2人は思わず転けてしまう。
「...急に転んでどうしたの」
「いやいや今の流れだったら普通どんぱちおっ始める流れだろ」
「あら、どんな物でも勝負は勝負よ。武器で戦うよりよっぽどスマートでスタイリッシュに決着が着くと思わない」
「まあ一理あるっちゃあるような...」
「...宿敵の詠唱に惑わされてはいないかシンよ...」
「...それとも、私に負けるのが分かってて乗り気じゃないのかしら」
「誰もそんな事言ってなーい調子は狂ったけど、その勝負、はぁとが受けて立つ☆」
「決まりね。...ところで貴女、ダーツの経験は」
「あー、うちの上司がダーツ好きでたまに誘われてやった...くらい」
「そう、全くの初心者では無いわけね。良かったわ、初心者だったら多少のハンデを設けようかと思ったけど...。まあ、ハンデがあっても負ける気は更々こちらには無いけども。」
「...言ったな今に見てろーすぺしゃる☆はぁとしゅーとをお見舞いしてやっから覚悟しとけ」
「ふふ、相手が誰であれ不足は無いわ。全力で戦いましょう」
「し、シンよ我とサタンが見守っているシンの持つ魔力を最大に発揮するが良い」
「さんきゅ☆アスラン、サタンくん♪おし、いっちょやったるかー」
そう言いシンはチナミからダーツの矢を受け取り両者一瞥する。果たして勝負の結果は──
──勝負から30分後。
「だ、だめだ...勝てねー...」
地面に手をつき項垂れるシン、ダーツ勝負を引き受けて何戦したか数えるのを忘れてしまうくらい、負け続けていた。
「...やっぱりハンデを設けた方が良かったかしら」
「は、ハンデなんていらないって...もっかい、勝負で」
「...諦めが悪いわね。まあ、そういう人は嫌いじゃないわ。絶望的でも前を向いて立ち向かう姿は誰であれ素敵に見えるもの。...でもどれだけ挑もうとも勝つのは私よ。」
「お褒めの言葉ありがとう。諦めが悪いのがはぁとの良いトコなの☆。そっちこそ自分が勝てそうな得意な勝負で悦に浸ってんじゃないの〜」
「...言うじゃない。でもダーツだけじゃなくて他の勝負でも貴女はきっと私には勝てないわ。...きっとね。それに私は絶対に勝てるとは思ってないわ。絶対に勝つって思って勝負をしてるだけよ。」
「んーなんたるストイック大人の風格漂うわ〜...ってそーじゃなくて...。はぁとだってこの勝負負けるつもりで挑んでるわけじゃないっての☆次はぜってー勝つ☆」
「...本当諦めが悪いのね。結果が見えてる勝負をするのは私の流儀に沿わないけれど...良いわ。相手してあげる。...それと、一応言っておくけど私、19だから。」
「...へまじはぁとより年下」
「...言われ続けてもう慣れたわ。いくら20は越えてないって言っても信じてもらえないのよね...」
「あー...なんか地雷踏んだっぽい」
「...別に塞ぎ込んでないわ。さ、続きをしましょう」
(...勝負を続けるとは言ったものの勝ち目がないなー...どうすっかなー..)
暫く立ち尽くしているシンの後ろ姿を心配しそうに見つめるアスラン。
(このままだとシンが宿敵に大敗を喫してしまう...手立てを打たねば...)
ふとなにかあった時用に工具や武器を精製する道具を持ち出していたのを思い出した。いろいろ取り出し何か使えないものかないか探す。
(コレとコレを使えば、シンの助けになるやも知れぬ)
アスランは徐に道具を取り出し何かを作り始めた。一方その頃──
「さ、お先にどうぞ。」
チナミとシンは次の勝負を始めようとダーツマシンの前に立っていた。
(もう正攻法じゃ勝てないのは分かってる。なりふり構ってらんないからなんとしてでも勝たなきゃ...。でもどうしたら勝てっかなー...)
ダーツの矢を構えながら悶々と考え事をしている。
「...投げないのもしかして怖気ついた」
「違うって集中してたの」
(なんか、なんか良い方法...)
「シン我が魔力を持って精製した闇をも貫く矢を使うがよい」
アスランはシンに向けて先ほど作った手製のダーツの矢を投げる。シンはダーツの矢を受け取り一瞬驚いた表情をアスランに向けるが直ぐに笑顔を取り戻す。
「...サンキュー、アスラン☆これで勝てるわ♪」
「ちょっと、それアリなの」
「へへーん☆。正規のダーツの矢以外は使っちゃいけないって言ってないっしょつまりこれもルールの内☆」
「それ言ったらなんでもアリじゃない」
「勝てばよかろうってやつすぺしゃる☆しゅがーしゅーと、くらえー☆」
シンは勢いよくダーツの矢をダーツマシンに向けて放つ。矢は勢いよく飛び、ダーツマシンの真ん中を射抜いた。その後暫く沈黙が続く。
「んーなんも起きないっぽい」
「何よ、驚かせないでよね...」
「フフフ...。我が精製せし魔具の力はこんなものではない我の魔力、とくと見よ」
アスランがそう言うと真ん中に刺さった矢が光だした。
「あ、これヤバイかも。チナミちゃん走れる」
「は、何、どういう事」
「多分このままここいたら木っ端微塵になっちゃう、的な」
「は、はあ」
「...っつーわけで、走るぞ☆」
シンはチナミの手を取り出口に向け一目散に駆け抜ける。
3人が倉庫を抜け離れると、倉庫から光が溢れ出て勢いよく爆発した。その姿を遠くから見守る3人。
「いやー相変わらずスゲー威力どうやってあんなの作ってるん」
「我とサタンの魔力にかかれば造作も無いこと...フフ...アーハッハッハ」
「こっちは命がいくつあっても足んねーけどな☆」
「ハァ...ハァ...。貴方達、よくこんな状況で笑ってられるわね...。」
「お、チナミちゃん平気ゴメンね〜アスラン加減効かなくってさ。」
「あんなのって...アリなの...」
「はぁと的にはアリだけどなって事で、この勝負ははぁと達の勝ちって事で☆」
「ち、ちょっとあんなの勝負と認めないわよ」
「んーでもダーツマシンもぶっ壊れただろうし勝負したくても出来なくね仮に勝負したとしてもまた爆発させちゃうかもだし」
「...っ...」
「...はぁとは勝つためならいろんな方法使うの。どんな方法でもゴールテープに自分の髪の毛一本でも触れたら勝ち☆ってね」
「...私は認めないわ。次は、必ず貴方達に勝ってみせるわ。首を洗って待っていなさい。」
「お、今度はまた別で勝負しよー☆衣装作りならはぁと負ける気しないし♪」
「...どんな勝負でも負けないわ」
そう言ってチナミは走り去っていった。
「...あ、行っちゃった。一件落着だしいっか...」
「その詠唱が適切かどうかは分からぬが、いずれまた相見えよう。その時まで我々も鍛錬を継続せねばな」
「...だな。よし、アスラン帰ろー☆」
「うむ」
すっかり日の暮れた草原の中を2人は歩いて行く。果たしてこの先2人を待ち受ける者とは
続く