Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    黒姫です

    @princess_kuro18

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 39

    黒姫です

    ☆quiet follow

    カナーリ前に書いたもの。
    ちいさいケイ様との朝。途中までしか書いてないけど、一応区切りは良いかな??

    21日にブラスタのイベントがあったようで……。今日(23日)、東京来たんだけど一足遅かった。ぐやじい゛

    ちいさいケイ様といっしょ2「ゔ、ゔぅ…」
    死にかけのトドのような声を出して、ベッドの上で上半身をゆっくりと起こす。ベッドの側に置いてある一人がけのソファーの上のスマホを鷲掴む。

    むにゅ───

    なにやら柔らかい感触が手のひらに伝わる。
    「いっ…てぇ!!?」
    鋭い痛みが手のひらに走り、一気に目が覚める。痛む手を引き寄せて見ると、ちいさな歯型がくっきりとついていた。
    そうだ。完全に失念していた。
    ソファーに目を向けると、柔らかいふわふわのタオルに包まれたちいさなマスコット────頭の中ではちいさいケイ様と呼んでいる────が、ふんふんという荒い鼻息と共にこちらを睨んでいた。
    「ごめん、そういえばそこで寝てたんだよね……」
    じんじんと痛む歯型をさすりながら謝罪する。

    「朝飯の用意しないとな……ケイ様は何食べたい?って言っても食パンくらいしかないけど」
    「なに!?……貧乏人か貴様」
    「す、すみません…」
    信じられないといった顔で見つめられ、思わず目を逸らす。
    別に貧乏というわけではない。ただ、食事に興味がないのだ。正確には食べるものに頓着がないだけで、量は人一倍食べる。キッチンには大量のパンの山がある。
    偏食気味なせいで、体はだいぶだらしないことになっている。友人たちにも心配されるほどだ。
    「仕方ない。今日はそれで我慢してやろう」
    ため息混じりにそう言うと、ソファーからぴょいと飛び降りて、とてとてと寝室から出て行く。

    それを追いかけるようにベッドから降り、キッチンに向かおうとしたところで、ケイ様の方を振り返る。
    「あ、一人でテーブルに登れる?」
    「むぐ、ぐ……ふん!!むぅ……」
    どうやら無理そうだ。今度は服ではなく、胴体を掴んで持ち上げる。温かくて柔らかい。思わず揉んでしまいそうになる。噛まれるのでやらないが。
    テーブルに乗せると、ちょろちょろと走り回る。
    「元気だな…」
    ぼそりと呟くと、再びのそのそとキッチンに向かう。

    取り敢えず朝食は食パンだ。それ以外はない。ふえるわかめならあるが、スナック感覚でボリボリ食べたときに痛い目を見たので却下だ。量を間違えてケイ様が破裂しては困る。
    ケイ様用に何かパンに乗せるものでもないかと探し回る。結果はチーズ二切れと、冷蔵庫の奥底で眠っていた5年前のジャムだ。
    「怒られそうだな、コレ」
    さすがに5年前のジャムをケイ様に出すわけにもいくまい。小さな子どもだと思って健康的な食事をさせなければいけない。不味いものを出すわけにもいかない。
    怒られてしまう。いや、これは小さな子どもというより、わがままお嬢様なのでは。
    などと、くだらないことを考えながら、キッチンを漁る。

    消費期限ギリギリの卵は目玉焼きにする。黄身がぐちゃぐちゃになってしまった。戸棚の上に放置されていた、いつのだかわからないココアをカップに入れて、ストローを差す。
    チーズを食パンに乗せてオーブンで焼いたものを細かく切って皿に乗せる。
    と、奮闘のかいあってなんとか朝食の体裁を守ることができた。
    あのちいさな体にこんなに大量の食べ物が入るわけがないので、自分のも兼ねている。別の袋から出した食パンを咥えながらケイ様の朝食をテーブルに運ぶ。
    「む、主人より先に食べる下僕がいるか。ばかめ」
    食事を乗せた皿を置く際にぺちっと手を叩かれる。
    「ああ、ごめん」
    「気をつけろ」
    「ところで、ケイ様はどのくらい食べる?これの半分でも多いかなあ」
    ちいさなケイ様の体の大きさを見ながら尋ねる。
    「何を言う。これでも少ない。次はもっと多くしろ」
    「えっ」
    マジか。いくらOLみたいな食事とはいえ、人ひとり分の量だ。OLの食事がどんなものなのかなんて知らないけれど。
    本当に入るのだろうか。

    もにゅもにゅ…

    パンを口に詰め込み、膨らんだ頬を動かしながら次々と胃────あるのかどうかわからないが────の中に入れていく。テーブルの上にちょこんと座り、両手で掴んで食べている姿は可愛らしいが、掃除機のようにものを吸い込んでいく様子はなんとも恐ろしい。

    結局皿の上のものは全て平らげてしまった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💗💗💗💗💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖😭😭😭😭🙏🙏🙏💴💴💴💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works