死神ワノ国でのできごとだった
「アジャ…ラカモ…クレンテ……ケレッツ……のパー……」
「あ?」
アラマキの足元で蹲った海賊がしきりにそう唱えている
「おいなんだその呪文みてぇなのは」
「アジャ…ラカモ…クレ…ンテケレッ……ツのパー……」
「おい」
結局その海賊は海軍の船に連れていかれるまでそれを唱えていた
海軍本部の食堂、たまたま席が同じになったイッショウに、気味の悪いワノ国での出来事を話した
「あれは気味悪かったぜ…」
静かに聞いていたイッショウがくつくつと笑って、蕎麦を食べる手を止めて箸を置く
「そいつぁ…死神を追い払う呪文だ……まぁ落語の中に出てくる作られたもんですがね」
「落語?」
「話芸の一つでございやす」
「ふーん……その落語に呪文が出てくんのか?」
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