倫理観校庭がガヤガヤとうるさくなり、段々と集合時間が迫ってくる。
今日は待ちに待った修学旅行。生徒たちのテンションはすでに爆上がりで、指導を食らうものさえ居た。
そんな生徒たちの中に一人、ずんっと思い空気の人が居た。
3組担任の若井先生。彼が見ている方向を見ると、生徒たちに囲まれている保健の藤澤先生がいた。またかと内心思いながら彼の元へ近づく。
「若井先生。何してるんですか
(…大森先生…(´;ω;`)
なにないてんだよこいつ。ドン引きしながら訳を聞いてやった。
「藤澤先生が…俺の知らない服着てるんです。
(…は?
「おしゃれして…あんなに生徒と楽しそうに…
(……私情を持ち込むな!!!!アホか!
全くこいつは懲りないと思い、僕の持つクラスの方へ向かおうとしたら、食い気味に紙袋を渡してきた。腑に落ちないが受け取ってやった。
それからなんやかんやあり、やっとホテルまで生徒を誘導し、お風呂に入り、一息つくはずなんだが……
(……これ着るべき…?
今朝、若井先生が申し訳無さそうに渡してきた紙袋。その中身はなんと可愛らしいパジャマ。
(これ絶対藤澤先生に着せようと思ってたやつだろ!!!!なんで俺に渡したんだよあいつ!
絶対に着たくなくて大声で喚いていると、ノックの音がした。
【…もときせんせい…?どうしたんですかぁ…?
ドアを開けるとそこには…僕と全く一緒のデザイン。色違いのパジャマを着てる藤澤先生の姿があった。
(は…?藤澤先生…
【……もときせんせ…それ誰にもらったの…
藤澤先生の目の色が変わった。もうめんどくさいこのカップル!!
【若井先生…浮気してたの…うそ…
うるうると目に涙を貯める藤澤先生。なんで僕が悪いことになってんだよ!!
(…いや…これ勝手に渡されただけで…
しくしくとなく藤澤先生をとりあえず宥める。背中を擦ったりすると少し落ち着いたらしい。
【……ぅ…(´Д⊂グスン
めんどくさいと思っていると勢いよく扉があいた。
「大森先生!!生徒から藤澤先生を泣かしてるって聞きましたけど??
お前のせいだよと心底叫びたかった。
【わかいせんせ…♡
「…藤澤せんせ…よかった…♡♡
お互いのことを見て安心したのか知らないが、いきなり人の部屋で抱きつくお二人。いやてかなんで生徒からタレコミ入ってんだよ。
(……ご自分の部屋でお願いします
「てか…大森先生そのパジャマちゃっかりきてるじゃないですか。」
(誰のせいだよ)
【もときせんせ…かわいい…♡】
若干いきがあがった藤澤先生をみて絶句する。
(藤澤先生かわいい…もうがまんできない)
【えへへ…いいよ。】
よくねぇよ!!!!
「助けて!!!!助けて!」
もうほんとに絶句して逃げようたしたところを誰かにガッチリ掴まれた。
【もときせんせ…まって…一緒に…おそろいしよ?♡♡】
藤澤先生が抱きしめてくる。男のくせに割と柔らかい。
「……」
(大森先生…りょうちゃんに抱きつかれて興奮してる)
【…かわいー…♡】
「は、??!」
もうほんとに助けてくれ誰か!!!!
【もときせんせ…今日だけは受け…変わって…♡】
「は…?」
【おねがい…♡♡】
(…楽しみ♡)
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翌日腰が痛すぎて僕は修学旅行の最終日をなんにも楽しめなかった。クソ!!!!