ワンルームシュガーライフただいま。愛しい人が待っている家に変える。
扉を開け、玄関に立つと、タッタと愉快な足音が聞こえ、彼は顔を出す。
(おかえり!もっくん!)
彼は僕に大胆に抱きつく。ギューーっと強い力で抱きしめられ、幸福感が上がっていく。
「りょうちゃん…ただいま♡」
僕より大きい彼の身体を、匂いをいっぱいに吸い込む。
「りょうちゃん♡今日は何してたの??」
(んー?今日はねお家でテレビ見てた!)
ニカッと太陽のような笑いを浮かべる彼。同時に安心感が芽生える。まぁ一応嘘はついてないみたい。
りょうちゃんの部屋にはカメラが付いてるから、何してるかなんてすぐわかっちゃうもんね。
「そっかそっか……♡」
(それでね…もっくん…)
りょうちゃんがもじもじと足を動かした。
「どうしたの??」
(今日ねテレビ見てたら女の人と男の人がねちゅーってしてたの…)
「それで?」
(それでね…変な気分になっちゃって…苦しい)
僕に抱きつく力が強くなる。どうやら発情してしまったらしい。
「そっかぁ…でもやけに落ち着いてるね」
(ふぇ…?)
「普通発情するならもっと凄いんだけどなぁ」
(…ぇ…えっと…)
「…今日お散歩行ったでしょ」
どきりとした顔をした彼。彼は浮気者。ふらっとどこかへ行くことがある。僕はいつも怖い。このまんま消えちゃうんじゃないかって。
(い…いきましたぁ…)
「そこで発散したんでしょ?」
(…ぅ…ごめんなさぃ…(´;ω;`))
ほらまた…他の人のとこで発散しちゃう。僕からの好きじゃ足りないの??もっと欲しいの??
「りょうちゃん。好きだよ。世界で一番好き。かわいい…」
(…ほんとぉ?♡)
「ほんと。」
(もっくんのいちばん…僕のもの??)
「あたりまえだよ?」
(…えへへ…そっかぁ…♡♡♡)
彼が僕を抱きしめる手は少し震えている。もう後戻りできないもんね。
僕たちが愛し合ってるいる時、テレビではカレの捜索願いのニュースが流れていた。
まぁ…二人の音でりょうちゃんには聞こえてないけどね。
この甘い世界。嘘になるならそれ以外のことなんて消してしまおう…♡