膝枕真斗とレン、多忙な2人のオフの日が重なった日の話である。
天気の良い午後、やわらかくあたたかな日差しが部屋に差し込む。穏やかな午後の時間が流れていく。
「硬い……」
そんな中、不満げなレンのこんな呟きが、真斗の目線の下から聞こえてくる。
「なんだその不満げな様子は。お前が急に膝枕をしろと強請ったのではないか」
そう真斗がムッとした表情で顔を見下げて言葉を返すと、
そうなんだけど……と思わず口を尖らせつつ、なお真斗の膝の上、正確には太ももの上から頭を動かそうとしないレンは少し目線を逸らしながら言った。
恋仲である神宮寺レンという男は、急に突拍子もなくこういった要求をする事がある。
例えば、今回の様な膝枕をしろであったり肩を貸せとわざわざ同じ男の硬い筋肉と骨格を持つ真斗にもたれかかろうとする事があるのだ。
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