擬人化🔑🕶️つづき
「ん………」
鼻や口がやけに乾燥する感覚で目が覚めた。知らない場所だ……まだボーッとする頭を働かせて記憶を辿ろうとした時だった。
「んん……」
「………?!」
いつの間にか私は腕枕をされ、抱かれて眠っていたようだった。身じろぎした隣で眠る男の顔を見て、全てを思い出した。
「……ロックスミス………」
昨夜私は仕事仲間である彼に頼んで、「経験」させてもらったんだった。自分では上手くいかなかった後ろの開発を手解きしてもらって……その後かなり恥ずかしいことまで言った気がする。
「………っ」
別に、この男のことが好きで仕方なかった訳ではない。よれたトレーナーを着たロックスミスの胸元に抱かれたまま、ちらりと顔を見た。
「……」
この男が、同性との経験があると風の噂で聞いた。なんとなくそれ以来、彼のことを目で追ってしまっていた。
無精髭が生えてちくちくする頬に指を滑らせながら、昨夜のことを思い起こした。
後ろで気持ちよくなってみたかったのは、ただの好奇心。自分一人では得ることのできなかった未知の快感を、ロックスミスはたくさん与えてくれた。
「………っ」
この男の顔を見ながら想ったせいで、いやでも身体が反応してしまう。
………昨晩は叶わなかったが、ロックスミスのを私のナカに挿れてほしいと伝えたんだった……気持ちよくしてもらって、何だか心も身体も彼に満たされた感じがして思わず言ってしまった。
「………」
まだ気持ちよさそうにすやすやと眠っているロックスミスをじっと見つめる。……私たちの関係は何なのだろうか………そんな女々しいことを考えかけてやめた。
別に恋人のようなことがしたい訳ではない……はずだ。言い方は悪いが、彼の身体目当てなのも否めない。
「ふぅ……」
コーヒーでも飲もうかと、ロックスミスを起こさないようにそろりと腕の間から抜け出した。
「うーん……」
私がいなくなったからか、彼はごろんと仰向けに寝返って手足を投げ出した。
「……!」
ロックスミスは布団を被っていない。着ているトレーナーと同じくらいよれたスウェットの股間部分が、しっかりとテントを張っているのに目が釘付けになってしまった。
「………」
私も同じ男だ。朝勃ちなんてそう珍しくないし、生理的なことだと理解している。それでも……
喉がゴクリと鳴った。吸い寄せられるように、目の前の勃ち上がった中心をスウェット越しにそっと触ってみた。
「……わ………」
昨晩も薄々気づいてはいたが、かなり大きい。手のひらを添わせてみると、私の手首から指先までの長さよりもありそうだ。
ゆくゆくはコレを……と思いながら顔が熱くなるのを感じていると、ふいに尻尾を引っ張られた。
「ひゃあっ!?」
「なにしてんだ、スケベ」
気付かぬうちに目を覚ましていたロックスミスが私の尻尾を緩い力で掴んでいた。
「いや、あのッ……大きいな、って」
「ハッ……」
私が慌てふためきながら言うと、まだ眠そうな目をしていたロックスミスはあくび混じりに笑った。
「見せてやろっか」
へっへへと不敵な笑みを浮かべながら、ロックスミスは自身のスウェットのゴムに指をかける素振りを見せた。
私はまたそこに釘付けになってしまう。
「み、見たいっ」
「バカ、冗談だよ」
「う……」
思わず勢いよく頷いたが、笑って流されてしまった。ロックスミスは腕を上げて大きく伸びをしている。
……私は、この男が押しに弱いことを知っている。昨夜だって、頼み込めば意外と何でもしてくれたんだ。
「な、ロックスミス……」
「………」
甘えたような声で名前を呼ぶと、彼は眉をひそめながら私を見てきた。私が何を言いたいかわかっているようだ。
「……いずれ戦う敵のことは、知っておかないと」
「ぶは、変なこと言うな」
ニッと笑いながらそう言うと、ロックスミスは吹き出した。もう一押ししよう。
「見るだけだから……ほら、下着下げて」
「〜もう……」
ロックスミスの腰に手を触れながらそう言うと、彼は諦めたようにため息を吐いた。
この男、やっぱり扱いやすくて可愛げがあるな。
「せめてシャワー浴びさせてくれ」
「ダメだ」
「……変態が」
今勃ち上がっているこの状態が見たいのだから、それは飲めなかった。
ソワソワしながら待っていると、意を決したようにロックスミスは下着ごとスウェットをずり下げた。
「………」
「わ………」
半勃ちなのだろう。邪魔な布が無くなって彼のペニスは直角に勃ち上がっていた。
……昨夜、彼の指を挿入されただけであんなにいっぱいいっぱいだったんだ。この長さと太さは、到底私のナカには収まりそうにない。
そんなことを考えながらまじまじと見つめていると、寝転んだまま首だけを上げたロックスミスが居心地悪そうに言ってきた。
「おい、もういいだろ」
「……もう少し」
「また俺がトイレで抜くハメになるだろうが」
「んー……」
それまで私はベッドの上に座っていたが、ロックスミスの股間に身体を寄せてうつ伏せになった。
「手でさせてくれ」
「……マジで言ってんのか」
「経験、させてくれるんだろ?」
「………勝手にしろ……」
そんな風に言いつつも内心期待しているのだろう、天井を向いていた彼のペニスはぴくっと脈打っている。