夜の散歩「あ」
「おや」
「はは、めっちゃ揺れてる」
「時間は深夜、開放感のある密室で熱を感じる距離、ドアとガラス1枚隔てて外は往来というスリルに否応無く高まる性欲…ああっなんてエクスタシー…!」
「いや声デカ、こっちも盛り上がってんな」
「ん?あっ、ちょっ、ふみやさん!なんで寄って…ダメダメダメ、ダメですって!こら!そっち行かない!めっ!恋人達のセクシーな時間を邪魔しない!」
「けど意外ですね、そんなに興味ありました?」
「いや別に。人いるのに気付いたらアイツらどんな反応するかなと思って」
「実験じゃないんだからおやめなさい」
「不審な車がとかって通報してみたりな」
「お巡りさんも困っちゃうから」
「まあまあまあ天彦はしたことないの?」
「ん〜窮屈じゃないですか、あれ」
「あー天彦タッパあるもんね」
「柔軟性には自信あるんですが狭くてちょっと」
「じゃあ口でやるのもキツいっぽい?」
「手で良ければ。それでも最高の天国お見せできますよ」
「てか、される前提じゃないのうけるな」
「あれ?シて欲しいって話じゃありませんでした?」
「んー、やってみたい?車買ったら」
「共用車はダメですよ」
「そ?秘密があると盛り上がるとかない?」
「秘めたるは華、良質なスパイスになるけどねぇ…背徳感と、ただ気不味いのじゃ全然違うでしょ」
「じゃあレンタカーとか?」
「ふふ、セックスだけを目的にしたカーレンタル、欲望に忠実、インモラルでセクシーですね」
「まあでも多分、
絶対ホテル行きたくなるんですけどねえ」
「だね」