俺たちのメリークリスマス　白い息が黒く澄んだ空に吸い込まれていく。華やかに街を彩る電飾にも負けず輝く星をひとつ、ふたつと見つけ、豊前は大きく両腕を天へ伸ばした。
「はー！結局、だいぶ長引いちまったなぁ。もうクリスマスも終わっちまうじゃねーか」
　なあ、と数歩後ろを歩く大倶利伽羅に身体ごと振り返ると、こちらにも街の明かりに負けない金色の星がふたつ、静かに光を湛えている。視線が合えば、大倶利伽羅は最小限の動きで首を傾げた。
「あんたはそういう行事には興味ないと思っていたが」
「まーな、そこまで興味なかったけど……師走に入ってから街中がクリスマスだぞ！特別な日だ！来んぞ来んぞ！って空気になってっただろ？まんまとその気にさせられちまってるよ」