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    のと☕️

    @koketsumarobi2

    気まぐれに落書きを描いてます。
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    ##満金

    道満は晴明殿が好きなんだろ?
    ある日、ぽつりと言われた言葉。
    「はて?あの憎き男を私が?ご冗談を」
    すっぱり言い切ると出された茶を啜る。
    今いるのは金髪碧眼の美丈夫であり、私には余りにも過ぎた男の家である。
    「いっつも晴明殿の話ばっかすんじゃねぇか」
    茶を啜りながら目だけ天井を眺める。
    「そうでもありませぬ、知った名が印象に残っているだけでしょう?」
    薬効の話だの星見の話しだのしても全く聞いていないのだから。
    「もしや、義兄殿と喧嘩でも致しましたか?」
    晴明の名が出る時は概ねこの男の想い人である義兄の悩みだ。
    「ちげーよ、喧嘩なんかしちゃいねぇ」
    そもそも勝ち目の無い戦である。なんと言っても彼の義兄は恋に落ち破れた後それが鬼に成ったというらしいのだから。
    今夜もどこかの橋で現れたと言うから義兄が行ったのであろう。
    「おいらは今晩非番だからよ」
    とふらりと京に寄っていた拙僧に声が掛かった訳である。
    彼にしては酒は進まずただ手元で杯を持て余していた。
    勝ち目の無い、最初から否定しか出来ない想いを己で抱え込めない時に拙僧がたまたま都に居るらしい。咲いた花を丁寧に踏み潰しては後悔し、また咲いては踏み潰して後悔をする。そんな様子だった。
    雪のように積もったなら春が来れば溶けるであろう。彼はそれもままならない。
    ただ拙僧を見かけて暇かと聞いて酒を飲む。
    普段は豪快に話す気持ちのいい男なのだ。だがこの時ばかりは借りてきた猫のように大人しい。
    金髪の鬼が出た日は特に。
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    kinokohaus

    TRAINING明治軸ではカップリングはありません。
    以前に書いた話の明治軸の『朔』と同じ世界線の二人です。これだけで読めますが、続きの現パロは月鯉になっている為ご注意下さい。またここでは出ませんが将来鯉登は妻子を持ちます。月島とは恋愛とは異なる関係で強い絆を築いていきます。その過程(未完)です。この話の中では妻子は影も形もありません。よろしくお願いします。
    ざざっと書いた練習作です。
    彼の人物について(仮タイトル) 石油ランプの灯る文机の前で、鯉登は一人、万年筆を握っていた。ペラリと紙の綴りを一つめくり、ぶつぶつ唱えながら書きつけていく。

     例の戦闘行為が中央に対する謀反ではなく露國パルチザンの攻撃による五稜郭および函館の防衛のための出撃であったと結論づけられ、ようやく連隊内が落ち着きを取り戻したころ。
     鯉登も月島もやっと中央の追求の手から逃れ、通常通りの日々を取り戻しつつあった。
    停年進級の時期を控え、鶴見中尉の抜けた穴は埋まらぬまま、鯉登は小隊長として、自分の小隊の考課表を作成するため自宅の文机を前に所属の人員に付いて一人一人、評定を記入していた。
     考課表には入隊からの成績やそれまでの上司からの考課が至極完結に記されている。それらを読み返しながら、あの一等卒の良いところ、この二等卒のこれからに付いて書き連ねる。
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