シャチョがぼるたに依頼する話。(未完) カララン、カラン
「…あ。いらっしゃいませー!」
十八時二十分、とある大通りに面したお洒落な店構えの、『CAFE Zeffiro』。可愛らしいイラストが描かれた看板のすぐ横のドアを開けば、軽やかなドアベルと共にレジカウンターの向こうから明るく元気な声が出迎えてくれた。どうやら、店内に居る客はカウンターで店員と何やら話をしている青年だけのようだ。
「雲雀、続きは後で。上に居ます」
「はいよ。お待たせしました、ご注文どうぞ。店内でお召し上がりですか?」
「あ…ええと…」
レジカウンターまで進んで、差し出されたメニューに目を落とす。注文するものは決まっているのに、決めたのに、なぜだかここへ来て迷ってしまう。本当に合っているのか、合っていたとして受け取ってもらえるのか。受け取って貰えなかったら、受けて貰えなかったら、もう他に手段が無い。
2562