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    kinokohaus

    @kinokohaus

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    kinokohaus

    PASTイベントの無配です。原作軸月鯉。
    月下 くれないの 中央の詮議も落ち着いてやっと部下たちの身の振り方が決まり、鯉登も月島も一旦は第二十七聯隊所属のまま師団長預かりという体で纏まったころ。

    営外より師団へ戻る道中、にわかに薄暗くなり雲行きが怪しくなってきたため、急がねばと話していたところに突然の雷雨が行手を阻んだ。
    あっという間にずぶ濡れの濡れ鼠、雫の滴り落ちる軍帽のまま急いで近くの軒先へ身を隠す。しばらくすると厚く黒い雨雲は通り過ぎ、先ほどの雨が嘘のように月が途切れ途切れになった雲間から覗きはじめた。
    軒を借りた先は小さな宿らしく行燈が外に出され、外の腰掛けには背の曲がった老人が何やら麻の袋を足の間に置き一人座って店番をしているらしかった。
    月島はこのような場所に宿などあったものかと怪訝に思ったが、二人とも背が震えてくるほどの濡れ具合。軍人たるものいかなる場合に於いても動ずるような失態はあってはならぬが、こう冷えては体に良くはない。今のところ師団長預かりという、はっきりとした職責も任務も与えられていない宙ぶらりんな立場だ。将校である鯉登の帯同での外出であるから、服を乾かす程度であれば月島もろとも多少遅れても問題なかろうと、宿前の老人に部屋は借りられるかと声をかけた。
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    TRAINING明治軸ではカップリングはありません。
    以前に書いた話の明治軸の『朔』と同じ世界線の二人です。これだけで読めますが、続きの現パロは月鯉になっている為ご注意下さい。またここでは出ませんが将来鯉登は妻子を持ちます。月島とは恋愛とは異なる関係で強い絆を築いていきます。その過程(未完)です。この話の中では妻子は影も形もありません。よろしくお願いします。
    ざざっと書いた練習作です。
    彼の人物について(仮タイトル) 石油ランプの灯る文机の前で、鯉登は一人、万年筆を握っていた。ペラリと紙の綴りを一つめくり、ぶつぶつ唱えながら書きつけていく。

     例の戦闘行為が中央に対する謀反ではなく露國パルチザンの攻撃による五稜郭および函館の防衛のための出撃であったと結論づけられ、ようやく連隊内が落ち着きを取り戻したころ。
     鯉登も月島もやっと中央の追求の手から逃れ、通常通りの日々を取り戻しつつあった。
    停年進級の時期を控え、鶴見中尉の抜けた穴は埋まらぬまま、鯉登は小隊長として、自分の小隊の考課表を作成するため自宅の文机を前に所属の人員に付いて一人一人、評定を記入していた。
     考課表には入隊からの成績やそれまでの上司からの考課が至極完結に記されている。それらを読み返しながら、あの一等卒の良いところ、この二等卒のこれからに付いて書き連ねる。
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