Recent Search

    sekkai_sinchoku

    @sekkai_sinchoku

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    sekkai_sinchoku

    MEMOEeeeさんの、こちらのツイートとメモを見て、いつのまにか書かれていたものになります
    https://x.com/eeee13ttuce/status/1837729486886129960?s=46&t=nFfA_N5LoKWlUWeESV89oA
    メモの方を先に見た方が多分わかりやすいです。
    素敵なアイデアありがとうございます😭
    Eeeeさんのメモ浄紫に感化されたもの 怒りとは燃え上がる熱い感情だと思っていた。怒りを知らない紫苑にとってそれは今まで触れてきたフィクションによる想像に過ぎず、それが如何に空虚で薄いチャチな想定に過ぎなかったかと痛感する。

    「許されるかどうか、直接聞いてみたらどうですか。会えるかどうか分かりませんが。」

     大切な人を殺した罪人の首を絞めながら、紫苑は怒りで震える声で告げた。これだけの力が湧き上がってくるというのに心は氷のように冷え切っていて、凍えた時のように声も体も震えていた。これが怒りだというのなら、この感情は冬の寒さより酷く残酷な冷たさで他者を殺すのだろう。
     その憎き相手は今はぐったりと紫苑の手の中で力無く項垂れていた。普段なら整髪料できちんとセットされた髪はぐしゃぐしゃに解け、顔を隠し、きちんと着こなしたジャケットは紫苑からの暴行によって一部破けていた。酸欠でもはや紫苑の声が聞こえているのかいないのか、そもそも襲った瞬間から今に至るまで、彼は──浄さんは、一度も抵抗をしなかった。一度驚いたように目を見開いて、紫苑の姿を確認して、それきり顔を伏せて一切の無抵抗だ。それが気に食わなくて、紫苑は更に絞める力を強めた。それにも一度背筋を痙攣させたかのように動かしただけで、抵抗する気配は見せなかった。
    2147