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    sekkai_sinchoku

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    マロに質問のあった小説の書き方まとめです。
    既作『ゼロ・ポジション』https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22511978に沿って解説しているので、他の方で小説を書きたいと思った方は先にそちらをお読み下さい

    石灰の小説の書き方Twitterで解説した内容(https://x.com/sekkai_sinchoku/status/1843135479249830184s=46&t=nFfA_N5LoKWlUWeESV89oA)と全く同じです。連ツイより読みやすいかなと思いこちらにも載せます。



    ***



     まず、私は「〇〇はそんなことしねぇ」「2人にカップリングはいらねぇ!」と執筆中にはあんまりなりません。
    これは私の小説の書き方が、まず頭の中に思いついたアイデアの一シーンがあって、そのシーンまでの「どうしてそうなったのか」と「その後どうなったか」の理由付の前後を埋める、という流れになっているからです。




    例えば「ゼロ・ポジション」(https://www.pixiv.net/novel/show.phpid=22511978)を書き始めよう、と思ったのは

    ・付き合ってない浄紫の紫苑が浄に傷の手当てを受けるけれど、その痛がる様子に嗜虐心がそそられてまたもやバグる浄さん

    というアイデアを思いついたからです。
    このアイデアを妄想壁打ちから小説に昇華させるには

    ・何故紫苑は怪我を負っているのか
    ・何故ジャスラではなく浄が治療にあたっているのか

    が文脈として必要になります。(あくまで一例で何故と思ったことは列挙して構いません、ですが細かくやり過ぎると大変なのでほどほどに)この疑問を解消するためにそこに沿って小説の内容を決めていきます。

    ・紫苑が怪我を負う理由→カオスワールドでの戦闘
    ・浄が治療する理由→エージェントによる調査の召集の際に2人になった

    が考えられます。
    そうなると

    ・紫苑は何故1人だけ怪我をしたのか
    ・何故治療する際その場にエージェントは居ないのか

    という新たな疑問が生まれます。それに対しても

    ・エージェントが来る前に紫苑が先に扉を発見してしまい、しかも猫が入り込んでしまったのでやむなく後を追った。猫を庇った故に怪我を負った。

    という思いつきをしました。この思いつきのお陰で「非戦闘員のエージェントに猫の保護を頼む」という形で離脱させ、2人きりにさせる、という二つ目の疑問の解決にも偶然繋がったのです。

    「こんなことはありえない」と切るのではなくどうしてそうなったのかを考え続けることで妄想の切り取りに過ぎなかったアイデアが物語になっていくのかな、と思います。こんな感じでアイデアになるところまで大体決めていきます。


    ただ、何でもかんでも書き過ぎるととっ散らかるので、不要なディティールは一言で切っていいと思います。

    例えばこの小説のカオスワールドの主である町村睦子はあくまでこの2人に怪我の治療をさせるための舞台装置なので、そこまで設定に凝る必要は無いわけです。(名前は「モブの町娘」もじってつけました。外見情報や彼女の過去回想、会話などは不要です。)

    当時の自分は「浄は打算なくエージェントを助けない」+「何か隠している紫苑をカオワに連れていくには企みがある」という二つの疑問を解決するために「町村睦子は浄の客で幸せにしたいレディの1人」として情報はかなり絞りました。





    こうして文脈が固まったところで、頭から書いていきます。

    ①紫苑がエージェントから依頼を受ける
    ②一足先に辿り着き、エージェント合流前にカオスワールドに侵入
    ③浄とエージェントが合流、カオスワールドの扉を発見

    ………

    といった具合です。

    これで該当の思いつきのシーンまで接続します。
     何故思いついているアイデアから書かないかというと、文脈の本文を書いていくうちに、また設定や描写を足したくなる可能性があるからです。そうなると都度書き直さなければいけないので二度手間になりかねません。少なくとも前から書いていけば、そのアイデアに辿り着く頃には詳細が定まっていますし、書き直しの手間を省けます。

     書いている最中に「野良猫の保護って直接病院にいっていいのかな?」「ラウンジ開店前に寄るとなると今は何時頃かな」など、現実の解像度が低くて分からないことは都度ググってWikipediaを読みます。絵を描く時に見本を並べるのと同じで、明らかに書きやすいです。そこから知らないワードをまた検索していけば、思いがけないアイデアを思いついたり出来ます。

    アイデアの地点にたどり着いたら、ひたすら最初に書きたかった萌えポイントを書き連ねながら文脈で決めた状況描写を交えます。ここが一番楽しい。





    アイデア部分まで書き終わったら、後は結びまで書いていくだけです。

    ・文脈時点で発生している問題の解決
    ・アイデアイベント後の2人のリアクション
    ・頭から読み返して、この物語がどう終わって欲しいか

    などを考えていくと纏めています。この辺りで、テーマというか、カプのエモーションみたいなのを決めている気がします。

    「ゼロ・ポジション」だと
    紫苑に怪我をさせたいというアイデア→ケガの内容である「脱臼」の「外れた関節を自然な位置に戻す」を掛ける→あなたといると自然なままではいられない→元の居場所に戻らなきゃという焦燥→でも戻るために結局彼の手を借りてしまった。

    「Fly me to the Chinatown」だと
    静流に路上ライブをさせたい→自分のオリジナル曲を完成させられない→自分がどう変わっていくかの未来を恐れている→どんな自分になろうとそれを受け止めるつもりであるルーイがいる→一時的にだけれど吹っ切れる

    みたいな……テーマは書いていくうちに見えてきて、後から書体を整えればそれっぽくなります。あなたの萌えを詰めればokです。

    後は誤字脱字をチェックして、完成です(私はこれが凄く苦手)


    アイデアを思いつく方法に関しては私もよく分からないです……
    イベストで新たに増えた情報から考えたり、日常の何気ない出来事から思いついたりなど、様々です。そしてやる気がない時は全く思いつきませんし、あくまで趣味ですから、そういう時は書きません(pixivの履歴を見ればわかると思うのですが、私は書かない時は年単位で書きません。)
    マロ主さんが今書きたいと思えるのなら、それは書き時なんだと思います。結局、創作って原動力がなければ出来ないことなので。

    長々とお付き合いありがとうございました😊
    小説を書くのはとっても楽しいので、是非是非チャレンジしてください!
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    sekkai_sinchoku

    MEMOEeeeさんの、こちらのツイートとメモを見て、いつのまにか書かれていたものになります
    https://x.com/eeee13ttuce/status/1837729486886129960?s=46&t=nFfA_N5LoKWlUWeESV89oA
    メモの方を先に見た方が多分わかりやすいです。
    素敵なアイデアありがとうございます😭
    Eeeeさんのメモ浄紫に感化されたもの 怒りとは燃え上がる熱い感情だと思っていた。怒りを知らない紫苑にとってそれは今まで触れてきたフィクションによる想像に過ぎず、それが如何に空虚で薄いチャチな想定に過ぎなかったかと痛感する。

    「許されるかどうか、直接聞いてみたらどうですか。会えるかどうか分かりませんが。」

     大切な人を殺した罪人の首を絞めながら、紫苑は怒りで震える声で告げた。これだけの力が湧き上がってくるというのに心は氷のように冷え切っていて、凍えた時のように声も体も震えていた。これが怒りだというのなら、この感情は冬の寒さより酷く残酷な冷たさで他者を殺すのだろう。
     その憎き相手は今はぐったりと紫苑の手の中で力無く項垂れていた。普段なら整髪料できちんとセットされた髪はぐしゃぐしゃに解け、顔を隠し、きちんと着こなしたジャケットは紫苑からの暴行によって一部破けていた。酸欠でもはや紫苑の声が聞こえているのかいないのか、そもそも襲った瞬間から今に至るまで、彼は──浄さんは、一度も抵抗をしなかった。一度驚いたように目を見開いて、紫苑の姿を確認して、それきり顔を伏せて一切の無抵抗だ。それが気に食わなくて、紫苑は更に絞める力を強めた。それにも一度背筋を痙攣させたかのように動かしただけで、抵抗する気配は見せなかった。
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