私だけの君へ人にはサイコロのように多面性がある。それはどんな人でも、どんな年齢であっても。
多面性といえども、どのくらいあるかは様々だ。六面ある人もいれば十二面、その倍の二十四面ある人もいる。
家族に見せる面、親しい友人に見せる面、仕事で見せる面。それから恋人に見せる面。どれも同一人物であるはずなのに全く違う。不思議だ。
私のパートナー、一十木音也君。彼もそうだ。歌唱する表情、演技の表情。雰囲気や声色、全く違う面を見せる。だって、彼はST☆RISHのメンバーであり、アイドルなのだから。
「雑誌の特集、ですか?!」
思わず声を上げてしまった。その知らせを聞いたのが社内のカフェだったので、こちらへ一斉に視線が向く。
「七海、嬉しいのは分かるが声が大きいぞ」と日向先生に窘められた。
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