魔界と現世の夏休み 爆映え⭐︎ナイトプール「……バカの乱痴気騒ぎが何ですって?」
蜥蜴型魔族の執事頭メーアメーアはぺろりと眼球を舐めた。
「違いますよ。ナイトプールです。ナ・イ・ト・プ・ー・ル」
魔王の妃アウゲの侍女頭、ザフィアは一音一音区切って言い直す。
「それで、そのナイトプールとやらが何ですって?」
「ちゃんと私の話聞いてました? 姫さまが現世の只人たちを招待したいっておっしゃるから、その趣向を考えろって言ったの、執事頭でしょ?」
「……わたくしが言ったのは客人をもてなす趣向のことで、乱痴気騒ぎの趣向ではありませんが」
メーアメーアは反対側の眼球を舐める。
「脳筋の近衛が一緒に行くんならどっちにしたってバカの乱痴気騒ぎは避けられないじゃないですか。あいつらは小隊対抗山岳レースでもやらせとけばいいんですよ。どうせ高価な料理の味もわかりゃしないんだし。酒と肉与えてほったらかしとけば適当にやるでしょ。ねえ?」
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