爽やかな風が吹き、快適な暖かさ。
穏やかであり、なんとも眠くなる日だ。
頭の隅で類がそう思いながら、機械を弄っていると、ふぁあとあくびが出る。
(…少しだけ、寝ようかな)
機械の作業の方も、一区切りできたために類は自身の隣にある大きなバックに機械をしまうと、ゆっくり目を瞑った。
(それにしても、本当に…穏やかな日だ…)
暖かい日差しの中、ぽかぽかと温められる体は、意識を眠りに誘うには十分すぎるものだ。
類は数分もしないうちに眠りにつき、屋上には静寂が漂う。
◆
「類〜?類、おきて〜るい〜」
「…ん?」
誰かが類を起こそうとゆさゆさ揺らしながら声をかけている。
微睡む意識の中で薄ぼんやりとしながら目を開けると、そこには風にゆらゆらと揺れる薄ピンクの髪が見えた。
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