花は、既に咲いていた2「これが再臨か」
召喚された翌日、予定通り霊基を強化した後素材を提供してもらい無事に再臨を果たす。
知識として頭の中に入っていたが、輝く刺々しい種火を手渡された時はこれを食べるのかと思い、霊基に力を与えるくらいの物を食べれば口の中が傷だらけになるのではと戦慄を覚えながら昨日の自分の啖呵を思い出し思い切って口に入れる。すると驚いたことに、種火は消えたのだ。同時に身体がぼんやりと熱くなってすぐにおさまる。口に入れる事で魔力の塊として溶け出し一体化するシステムなのだろうかと考えてみるものの、生前が魔術師なわけではないのであくまで予想となる。
口内が傷だらけにならないのであればまぁいいかと、差し出された種火を次々と口に入れていったまでは良かった。はじめは物珍しさで進んだが、味気ない種火を口に入れ続けるにはドゥリーヨダナの性格では飽きが来てしまう。それを止めずにいられたのは強化が初期の段階であり、種火の量が少なかったからだ。本格的に飽きが来るまえに再臨できる状態まで強化が出来たから。
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