嘘にしておきたい「バースデー用の撮影、ですか?」
ブラッドから出た言葉に、数ヶ月前、慣れないスーツを着て撮影に挑んだことを思い出す。カメラマンが慣れていたから良かったものの、用意された衣装を着て一人で撮影をしたものだから、緊張した。もう一巡が終わったのかと思うと感慨深い。
「ああ。今回はラフな格好で花冠をかぶることになった」
「そうなんですか。そういうコンセプトって誰が決めるんですか?」
「主に広報部だ。去年はスーツだったから、差がある方がいいのだろう」
「なるほど……」
ヒーローになってしばらく経つが、単純にサブスタンスやイクリプスの対応をするだけではなく、こういう撮影をしたり、自分がグッズになったりと、様々な仕事があると改めて思う。
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