アキラが好きだと、自覚はしていた。
いつからだろう。もう覚えてないくらい昔からだ。俺の人生を照らしてくれた眩しい存在。
出会えてよかった、と何度も運命に感謝したくらいには好きだった。
けれど、一生本人に伝えるつもりなんてなかった。片思いでもいいから幼馴染でいたかった。
そばにいれるなら、なんだっていいと思っていた。
だから、寝耳に水だったのだ。
アキラと、まさかレンがくっつくなんて。
照れているのだろう、報告してくれた時の二人のぶっきらぼうな顔。
幼馴染達を眺めながら受けるあの衝撃は生涯忘れることはできないだろう。
がらがらと周りのものが崩れていき真っ暗闇の奈落の底に落ちたと思った時、一緒に報告を受けていた人間の、死んだような視線がなぜか目についた。
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