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    RiRiRiRiotyan_p

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    前ボヤいてた泥酔ネタ 監マレ の冒頭
    あんまり期待せんで……読んだら忘れといてください メモ読み返してたらなんか可愛いなと思ったので上げちゃいます
    のちのちR18 現時点では健全 アーイ

    ユウはその一口サイズのチョコレートをウイスキーボンボンみたいなやつかな、と思ってパクパク食べていた。薄ぼんやりとしか覚えていないのだが、父も母も酒には強かったので彼も恐らくザルである。ツノ太郎は甘いのはあんまり好きじゃないらしかったが、口元に持って行くとパカッと口を開けて食べてくれるもんだからたくさんお菓子を食べさせた。もちろんそのチョコレートも。


    「はい、ツノ太郎あーん」

    「もう結構だと言っているだろう」

    「あー……」

    「……ーーん」

    「ふふ」


    二人はオンボロ寮のユウの部屋にいた。ハロウィンパーティーで余ったお菓子をパクパクつまみながら、話したり話さなかったりしてまったりと過ごした。


    今宵は二人きりの夜である。テーブルの上には、文字どおり山ほどあるチョコレートと、夢みたいな彩りのカップケーキと、天国みたいにフワフワのマシュマロと、甘ったるいロリポップ。ユウはツノ太郎の肩に頭を預けてそれをちょいちょいつまんではどうでもいい感想を述べて、右斜め上の口元にお菓子を運んだりモダモダしたりしていた。

    「ツノ太郎ツノ太郎」

    「どうした?」

    「これ」

    「あぁ……」

    ユウはチョコレートのパッケージをしゃかしゃか振ってツノ太郎に見せた。すると真後ろから彼の両腕が伸びてその四角い箱を取る。ユウの正面に来た細くて長い指はオレンジのパッケージをパラパラ解いて、箱には何と書いてあったかな、と先程ユウが口に突っ込んだ飴を咥えたまま呟いた。


    「ジャックオランタン?」

    「ふふ、本当にか?」

    「うん……たぶん」

    「すまないな、僕も見る前に解いてしまった」

    「いやいや」

    ツノ太郎がよし、いいか?と尋ねてユウが頷くと、手元がわずかに光ってからオレンジの紙切れはたちまちパンプキンのポンチョに姿を変えた。

    「ッお〜、すご。ありがと」

    「おや。これは肩掛けかな」

    「ええ、アハハ、どうすんのコレ」

    「こうするといい」

    「オワー!」

    「はははは」


    マレウスはユウの頭にフカフカの布を被せた。ユウはオワー!と気の抜けた声を上げて暴れて、きちんとマレウスに抑え込まれた。マレウスも抑え込むつもりなど無く、実の所はユウが勝手に落ち着いただけだ。つまりじゃれあっていた。

    「これ柔らかいねぇ」

    「ふふ……そうだな……このまま眠れそうだ」

    「えツノ太郎寒くない?僕しか被ってないよコレ」

    「………」

    「にしても気持ちいなぁ……さすがワンダーランド……」

    ユウは頭に頬を乗せて黙り込んでしまったツノ太郎のことを大して気にせずに、またお菓子の袋を手に取った。


    _______________________



    それから数分経過した。
    ユウはもたれてくるマレウスのことをあまり気にしていなかったのだが、次第にかかる負荷は重くなり、今では殆ど彼本来の重さが背中全体にのしかかっていた。
    ツノ太郎はでかい。ユウは非力で小柄だったので、彼のことをかなり重く感じる。

    「ちょっと……ツノ太郎、重い」

    「ん……」

    「あれ、ホントに寝てる?ツノ太郎」

    「……」

    「ツノ太郎……?って熱くない?」

    ユウは布越しに自分の肩に触れるマレウスの体温が上がっていることにようやく気付いた。見るとグローブの隙間から見える手首が真っ赤に染まっている。ぎょっとしてその肌に触れてみるとやはり熱くて、ユウはとっさに振り返ろうとした。マレウスが風邪を引いたのかと思ったから、顔を見るために。


    「ツノ太郎、大丈夫?具合悪い?」

    「んん……」

    「ちょ、ごめんね1回離れて」

    「ふへ」

    「え?」

    マレウスは急に楽しそうに笑った。それからスリスリとユウにすり寄ってはまた楽しそうに笑う、そんな気配がした。小柄なユウの身体はツノ太郎の細身だが大きな身体にすっぽり収まって、彼は真後ろの状態を何にも分からないまま抱きすくめられて、ポンチョの中で人知れずもみくちゃにされてしまった。

    「………?」

    「んん……、ふふ」

    「あ……」

    あ。とユウは思い至った。心当たりは、ほのかに香るブランデー。チョコの中のウイスキー。ミルクとカカオに混じったほんの僅かなアルコールだった。


    「……あんなの、子供でも酔わないけど……」

    ユウはまさかな、と思ったがこのうざったらしい絡み方は酔っぱらいのそれである。なんとかして彼の方を向くとマレウスは顔を耳まで真っ赤に染めて、涙の滲む両目でユウのことを捉えた。腑抜けた目元でキョトンと見詰めたあと、1秒前のことを全部忘れてきゃらきゃら楽しそうに笑った。ユウはそれを見てげんなりとした。

    あぁ、ツノ太郎は酔っている。思考回路がアルコールでぶつ切りにされている。目の前の幸せしか覚えられなくなっている。ユウは楽しそうなマレウスに手を取られてその大きな薄い手のひらで意味も無くモミモミされながら、困って眉尻を下げた。


    ――妖精族は総じて鉄と毒で出来たモノに弱い生き物だ。酒は百薬の長だと言うが、アセトアルデヒドは肝臓を壊すものであり、結局のところアルコールとは体に毒なもの。
    ちなみにユウは何も知らなかった。


    「ツノ太郎……もしかして、凄くお酒弱い?」

    「ん〜……?」

    「アチャ〜、どうしよ……ベロベロだよ……」

    「ゆー、うふふ」

    「ちょ、ま、ツノ太郎、待って」

    「んぁ、にぃ。ぁんだ、う」

    「喃語〜!!」


    ユウはマレウスの口の中からぶどうの棒付きキャンディを回収して、ソレを自分の口に突っ込んで彼の介抱に取り掛かった。
    幸いベッドは今ふたりがいるソファのすぐ近くにあったので、取り敢えずふにゃふにゃになった彼をそこに連行しようとした。肩に手を回させ、よいしょ、と持ち上げる。
    その勢いで2人は天井に激突した。


    「っだぁ!!痛い!!!ツノ太郎!?なんで急に魔法使うの!」

    「んん、?」

    「手伝ってくれたの……?にしても痛いんだけど……」

    「ん……」

    マレウスがあんまり不思議そうに痛がるユウを見るもんだから、ユウは馬鹿らしくなってマレウスの頭をぽんぽん撫でた。少しホコリが着いていたので優しく払うとグリグリ額を押し付けてくる。ユウに触ってもらえるのがとにかく嬉しくて仕方ない様子だった。
    ユウはため息をついて、このままベッド行ける?とゆっくり尋ねる。マレウスはそれを聞いてこっくり頷き、ボーッとしながらふたり分の身体をベッドの上に運んだ。



    「ありがと。ちょっと待ってね水持ってくるから」

    「?みず」

    「?みず。」

    「なんで」

    「なんで?」

    「なんで、水」

    「水はね、ツノ太郎に飲ませるためです」

    「うふふ……ツノ太郎か。ふふ……」

    「あの、一人で振り出しに戻らないでくれませんか?」












    ここで手記は途切れている
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    ユウはその一口サイズのチョコレートをウイスキーボンボンみたいなやつかな、と思ってパクパク食べていた。薄ぼんやりとしか覚えていないのだが、父も母も酒には強かったので彼も恐らくザルである。ツノ太郎は甘いのはあんまり好きじゃないらしかったが、口元に持って行くとパカッと口を開けて食べてくれるもんだからたくさんお菓子を食べさせた。もちろんそのチョコレートも。


    「はい、ツノ太郎あーん」

    「もう結構だと言っているだろう」

    「あー……」

    「……ーーん」

    「ふふ」


    二人はオンボロ寮のユウの部屋にいた。ハロウィンパーティーで余ったお菓子をパクパクつまみながら、話したり話さなかったりしてまったりと過ごした。


    今宵は二人きりの夜である。テーブルの上には、文字どおり山ほどあるチョコレートと、夢みたいな彩りのカップケーキと、天国みたいにフワフワのマシュマロと、甘ったるいロリポップ。ユウはツノ太郎の肩に頭を預けてそれをちょいちょいつまんではどうでもいい感想を述べて、右斜め上の口元にお菓子を運んだりモダモダしたりしていた。

    「ツノ太郎ツノ太郎」

    「どうした?」

    「これ」

    「あぁ……」

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