Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    knsmpnt

    @knsmpnt

    @knsmpnt
    ようわからん

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 8

    knsmpnt

    ☆quiet follow

    隼ゆやにしようとしたけどどちらかといえばユゴゆや、ユトゆやです

    大昔に書いたこれhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9914257の続きを書こうと大昔に途中まで書いたやつです

    #遊戯王ARC-V
    yu-gi-ohArc-v
    #隼ゆや
    hayabusaOilPalm
    #ユトゆや
    #ユゴゆや
    yugoslavia
    ##ARC-V

    授業の合間の短い休み時間、ざわつく教室の中でひとり席についたまま何度も校門の方を眺めてはため息をつく。これで14回目。気がまぎれるかと思ってため息を数え始めてみたけれどかえって不安が増すだけだった。

    「どうしたのよ遊矢、今日ずっと窓の方ちらちら見て」
    幼馴染で隣の席の柚子が怪訝そうに話しかけてくる。俺がまじめに授業を受けてないのは今日に始まった話じゃないからまたいつも事かと思われているのだろう。まあ普段はちょっとデュエルとエンタメのことを研究して夜遅くなって、ちょーっと授業中うとうとしてしまうのは確かだけど。でも今日はそうじゃない。
    「なあ今日さ、校門のあたりで変な人見なかった?」
    「変ってどんな?」
    「いや……なんていうか黒っぽくって……ちょっと怖そうな人」
    「……?多分見てないけど」
    今だって誰もいないし、と俺の肩越しに窓の外を眺める。
    そうだよな、さすがにいないよな。だってこんな時間から待ってたって俺授業あるし。そういえばあの人の歳とか聞き忘れたな。パッと見た感じ高校生か…大学生くらい?社会人っていうほどの年の差は感じなかったしなにより大人特有のスレた雰囲気がなかった。でも大人びて見えたしなんだか小難しい本をたくさん読んでたからやっぱり大学生かな。大学だと時間割ってどうなってるんだろう。今度兄さん達に聞いてみよっと。
    などと窓の外を呆けて見ながら考えていると、一緒に眺めていた柚子が焦れたように口を開いた。

    「一体誰のことを気にしてるのよ?」

    「…………」

    自分が援助交際をしようとした上に行き先を間違えた相手から説教でもされそう、なんて口が裂けても言えない。



    --------------------------------
    講義が始まる15分前、前の扉から入って部屋をぐるりと見渡す。後ろの方の席に青と黄の目立つ髪色と上に立てられた黒い髪が並んでるのを見つけると、まだ人もまばらな室内をするりとぬって歩く。いやむこうが勝手にこちらを避けているのだろうか、俺が通ろうとしたら道があくと言うのが正しい。

    「おはようユート、ユーゴ」
    「おはよう隼」
    「ほあよ〜」
    ノート片手に涼しげに挨拶をしてきたユートと机の上に突っ伏しながらラップに包まれたサンドイッチを頬張りつつよくわからない言葉を発したのがユーゴ。顔つきも雰囲気も違うがよく似通った目鼻立ちの二人は双子だ。産まれてきてからずっと一緒で大学も学部も、あまつさえ講義ですら同じでいくらなんでもうんざりしないものだろうか。仲睦まじいのは良いことだ、かと思えば存外しょっちゅう喧嘩をしていてささいなことですぐ言い合いになる。大抵はだらしないユーゴをユートが叱るといった形だが。この様子じゃ今朝も寝坊したユーゴを無理やり起こし、作っておいた朝食をやっと今食べさせてるといったところだろう。頬をぴったりと机にくっつけながら「あと十分は寝れたのに〜」とぼやく声が聞こえるから多分間違いない。
    「お前がバイクを出さないと間に合わなかったんだから仕方ないだろう。それに俺があのまま出かけても起きたか?」
    「ぐっ……ならお前も買えよ!バイク!!あと免許も!!」
    「そんな何台も買ってられるほど余裕も場所もないだろ。それに俺も出してるから維持できてるんじゃないのか?」
    「う〜〜〜〜!!」
    手に残ってたサンドイッチを急いで詰め込んだ後「ごちそうさま !」と手を合わせてそのまま今度は完全に机に突っ伏してしまった。口で勝つ自信がないのならわざわざ突っかからなければいいのに。

    (ここ消すかも)正直言ってバイクを持っているのは羨ましい、ユートの隣で荷物を出しながら俺は思った。ユーゴに触発されて戯れに免許を取ったはいいものの、どうせ買うなら大型のバイクで思う存分走り回りたいとまだ資金を貯めているところだ。その点ユーゴは高校生のうちにバイトで貯めて、保険料などの雑費はユートに援助してもらいつつだが、自分の金で買ってしまったのだ。普段だらしない様からして無理だ無謀だと散々周りから茶化されていたのに成し遂げたのはそれだけ真剣な想いだったんだろう。今はもっと大型でもっとスピードが出るのが欲しい!とバイト代を貯めているそうだ。もっとも買い食いを繰り返しているあの様で一体いつになるのやら。
    双子の愉快な様を横で眺めながら考えていると、よく似た顔の赤と緑の髪色をした少年がちらりと頭をかすめた。

    「そうだユート、お前達って弟かなにかいるか?」
    「弟…?俺にはこの手のかかるやつしかいないが」
    ユーゴが握ったままだった丸めたラップを突っ伏した体勢は変えずユートに投げつける。
    「いやもっと小さくて、中学生くらいのだ。赤と緑の髪で」
    「ああそれなら」
    「遊矢のことか!?」
    合点がいった、というように表情を明るくしたユートに被せるようにガバリと起き上がったユーゴが叫んだ。まだ人が少ないとはいえ教室だぞ、注目されただろうが。
    「まー遊矢はオレたちの弟みたいなもんだしなー。顔もオレに似てるしなー」
    「違うだろ、俺に似てるんだ」
    いやどちらでも同じだが。お前達鏡見たか?
    「いやいや絶対オレだって、遊矢はお前みたいにずーっとぶすくれてねぇし。ほら見ろよ写真」
    「いやその前に隼、なんで遊矢のことを知っているんだ?」
    いそいそとスマホを取り出すのを制し、少し不審げな顔を向けてくる。刺すような視線を向けられるのは予想外でたじろぎかけたが、予め考えていた答えをする。
    「この間舞網に行く用事があってな、そこで偶然見かけたんだ」
    「ああなんだ、そうだったのか」
    すぐいつもの穏やかな雰囲気に戻る。気のせいだったのかと思ってしまうほどに。あまりのことに今度はこちらが訝しげに見つめてしまったのを感じ取ったのか、ユートが申し訳なさそうにだがすらすらと語り始める。
    「隼は遊矢の行動範囲にあまり被ってないしそもそもお前は普段過ごしてて関係ない周囲のことなんて気にしてないからな。そんな隼が急に遊矢のこと言うものだからてっきり何かあったのかと思ってしまったんだ。なんで遊矢を知ったのか事によってはと思ったが、ただ見かけただけなら構わないんだ。それにしても珍しいな、隼が誰かのことを話題に出すなんて。……本当に見かけただけか?」
    「……ただ街中でお前かと思って声をかけようとしたがよくよく見たら違ったから憶えてただけだ」
    もう一度鋭い視線になりかけたので慌てて誤魔化す。一見穏やかそうな喋り方だったが内容が重い、長い。お前はそんな一度に喋るタイプだったか?というか待て『事によっては』とはなんだ。どこからがよくなくて一体何をするつもりなんだ。
    「ほらほら見ろよぜったいオレに似てるから!」
    微妙な空気になってしまった俺達の間に能天気にユーゴが割って入ってくる。中学からの付き合いの中で今一番こいつに感謝しているかもしれない。
    差し出されたスマホの画面には河原でバーベキューをしている写真が映し出されていた。一番手前でうちわ片手にユーゴがスマホを持っているであろう腕を伸ばして撮影をし、一番奥ではユートが網の上の食材を見つつカメラの方を向き、その二人の間で出来上がった串焼きを両手に持った上でピースサインと満面の笑みを浮かべている。あの日見かけた時よりずっと年相応な姿だった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works