◆配信者ラブくん
本名藍良。巷で話題の個人配信者。元々顔出し無し配信者だったがうっかり顔バレし開き直って顔出し配信をしている。大好きなものはyoutuber。Vも好き。ネット民でメンタルが弱く頻繁に病んでしまうが立ち直りも早い。
◆ラブくんのピのヒロくん
本名一彩。故郷の事を放り出してyoutuberになってしまった兄を追いかけ無一文で都会に出てきた。都会のど真ん中で熱中症になり倒れた所を藍良に助けてもらい、色々な事を教わりながら居候している。
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・9413・
もはや僕にとって見慣れた光景。お菓子のような甘い匂いの充満する部屋。大きな机の上にあるカメラ付きのデスクトップパソコン。周りにベタベタ貼られたカラフルなハート型の付箋には丸っこい文字でパスワードやタスクメモが書き込まれている。画面に開かれているのは情報量の多い配信サイト。コメント欄には配信を待ち望む不特定多数の視聴者の声が流れ続けている。目の前の藍良……配信者“ラブくん”は、キャスターに座ってキーボードを鳴らし、いつもの挨拶を行った。

ホットドリンク(ファンフィク)　　本日のキャンプ地であるこの場所は、星がとても綺麗に見えることで有名らしい。
　山の上にあり街の明かりからも遠い。
　澄んだ空気の先にある星空はとてもよく見えると書いてあった。
　そのポスターを見かけて、レジャー隊のみんなが寝た後にこっそり二人で見てみようと提案したのは、ニキが先だった。
　なんとなく、星空を眺めるなら二人がよくて、示し合わせたように他の人は誘わなかった。

　きっと外は冷えるから、防寒着をこれでもかと着込んでテントから出た。
　外はシンと冷えていて、この時間特有の澄み切った空気で満ちていた。
　日中に漂う淀のようなものがすべて地に落ちて、包み込むような冷ややかな夜がすべる世界。
　街中で感じるものとは違う、装飾を削ぎ落とした荒削りな暗闇。