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「まずはヴェルに聞かないとマズイんじゃないの〜?」
「そう言われると確かに…アルフォンスさん、あの堅物を納得させられる理由はあるんですか?」
じっとりと不機嫌そうな顔をして、イシュメールはアルフォンス問う。しばらくうぅんと悩む素振りを見せ…
「まぁ、任せとけって。」
そう一言だけ残し、1人我先にとバス内に向かって歩き出した。大丈夫なのだろうか…とは思うが、彼以外にその『祭り』とやらを詳しく知っている囚人はいなさそうだ。
「あんな自信満々にされると逆に怖いな」
「…同意する。」
神妙な顔をするグレゴールに、珍しく目を瞑り頷くムルソー。彼らの言いたいことも分かるが、マァ…何かいい方法があるのだろう。
《アルフォンスがあそこまでやる気なのも珍しいし、少し任せてみてもいいんじゃない?》
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