「なは、そうですねぇ…確かにそれもいいかもしれません」
「あぁ、なら早く処理しないと…」
子供はブツブツと1人で話していた。まるですぐそばに誰かいるみたいに。
「………戻りたくない…なぁ」
「……大丈夫ですよぉ、こうしなきゃ…生きてけませんからぁ……」
「ダメです。 あなた達が出れば何もかも殺してしまうんでしょう?」
「…俺は…こうなっても、せめて…他人を巻き込まずに………」
「………………はは、冗談、ですよぉ。」
子供には沢山のナニカがついていた。全てを無くしてしまった他の子供とは違って、手足も目さえも全て持っている。
むしろ、息絶えるほどの傷を受けても次の日にはケロッとしてるんだから…幸運だったのかもね?
「……呼んで………水の音が……」
彼の目は次第に青く染って、ぷかぷかと水に浮かんでいるような音が響く。
ぴちゃん、ぴちゃん。
「死ぬことなんて許さないわぁ。 あなたは、わたしの希望なの」
「…ごめんね、もう少しだけ……ふふ、そう言っては可哀想かしらぁ。 ずぅっと、ずっと一緒よ。」
にんまりと笑い、子供の体を使って歩き出すソレは…愛しそうに自分を抱きしめた。きっと、子供が解放されることはないんだろうね。
例え、全てを敵に回したとしても。