Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    むる❄🍑@i7ym_mr

    @i7ym_mr
    初心者のよちよちお絵描き置き場

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 29

    むる❄🍑@i7ym_mr

    ☆quiet follow

    寒い日のユキモモ
    クリスマス兼ユキ誕話
    間に合えばユモカップのタグに載せたい(願望)
    力尽きてきました

    お昼までの収録を終えて外に出てみれば、12月にしては比較的暖かい太陽が出迎えてくれた。いつもなら寒くてマフラーに埋もれているユキの綺麗なお鼻が今日はひょっこり顔を出している。
    このあとは二人ともオフで、ぽかぽかとした陽気につられて出かけてみたい気分だった。

    明日はユキの誕生日。明日の仕事は夕方からなので、今日はこのままユキの家に泊まっちゃう予定だ。少し、いやかなり浮き立つ気持ちを隠せずにニコニコしていると、ユキが隣でふふっと笑みを零した。

    「モモ、上機嫌だね」
    切れ長の眼を優しく細めて、覗き込んでくる。アクアブルーの瞳の中に映り込んだ自分の姿を目に留めた。視線が絡まり、事実見透かしているであろうこの心の内まで覗き込まれているような心地になって、心を鷲掴みにされたように魅入ってしまう。

    「モモ?」
    訝しむように首を傾げるユキを見て、知らず止めていた息を吐いた。見慣れているはずの顔面への耐性はいまだに会得できていない。モモちゃんのスキルレベルはどうにもそこだけ上がらない仕様なのです。

    「えへへ…ごめんごめん!ユキがイケメンだから見惚れちゃった」
    「ふふ、知ってる」
    ふわりと微笑んでそっと視線を落とすユキ。注がれる視線の先は……自惚れじゃなければ、唇を見つめられているように感じた。なんとなく、キスがしたくてうずうずしているように見えた。いや、ただオレの願望かもしれない。そして間違いなく欲望である。

    ──ユキ。

    溢れる想いと共にこぼれ出た呼び声は音にはならず白い息となって吐き出されていった。その唇の動きを正確に読み取ったユキが顔を上げるのと同時に、ついと袖を引っ張り路地裏の影へと誘う。

    「ユキ、」
    今度こそはっきりと意思を持ってその名前を呼ぶ。思いの外切羽詰まったように聞こえてしまうのは、やっぱりオレの欲そのものに違いなかった。
    僅かな疑問を浮かべながら着いてきたユキの、穏やかだった雰囲気がガラリと変わる。ユキのこの顔が大好きだ。色気を孕んだ伏し目に薄く開いた口許、纏うオーラも相まって、まるで美しい悪魔みたいだなんてどうでもいいことを考える。その内にユキの右手がオレの耳をなぞりながら、髪を梳くようにして後頭部に差し込まれた。見つめられるだけでぜんぶ持っていかれそうになるのに、その手で触れられるとどうしようもなくなってしまう。これが初めてなんかじゃない。何度も何度も経験してるのに、どうしても慣れない。期待に膨らむ胸がばくばくと音を立てて、差し込まれた右袖の布擦れが耳に響く。体温にすっかり馴染んだユキの香水の匂いが呼吸ごとに強くなり、12月のシンと冷たい空気にそぐわない熱さが膨れ上がりくらくらとしてきた。


    「…っ、」
    唇が触れる。ただそれだけでじんと痺れるような甘さをつい貪欲に舐め取り、蕩けた頭のままユキを見つめた。愛しげに目を細めて見つめ返される瞳の熱に、取り込まれそうな感覚を覚えた時──…。ひんやり冷たい親指でふに、と唇を押された。

    「後でね」
    「う………っ」
    ぶわっと頬に熱が集まる。ただでさえ熱かったのに、羞恥で目も当てられない。これじゃまるで、オレが催促したみたいじゃんか。……そうなんだけど!

    「ふふ、僕だって早く帰りたいところなんだけどね。モモ、楽しみにしていただろう?」
    「うん…!ありがとう、ユキ」
    そう、ちょうど近くの公園でクリスマスマーケットが開催されている期間で、すこし覗いてみようかという話になっていたのだ。寒い夜に出歩くなんてあんまり気乗りしないだろうに、オレが楽しみにしていたことを覚えていて尊重してくれるユキについ頬が緩む。待ち遠しい夜のことはもうすこしの間だけ頭の隅に追いやって、せっかくタイミング良く訪れたオフの日を存分に楽しむことにする。目の前の美丈夫を見つめながらくふふと口の中だけで笑みを溢した。





    立ち並ぶ店先の灯りに、柔らかく煌めくイルミネーション。それらと相俟って、感嘆の交じる息は白くとっぷりと暮れた夜空に良く映えていた。賑わいを見せるここら一帯だけ幾ばくか暖かいような気さえする。

    「ん~!良いね、テンション上がっちゃう!ほらホットワインとかあるよ、ユキ!」
    「そうね。料理に使えそうなのもあるな…」
    クリスマスらしい飾りや置物に始まり、ワインやつまみにぴったりな燻製ものからお菓子に至るまで、本場に倣って陳列されている輸入品などは目移りするものばかりだ。

    「うう、寒空の下での立ち呑みもちょっと気になるけど、今晩はユキん家で飲みたいから…」
    「それならこれはどう?美味しそうだよ」
    ユキが手に取ったのはグリューワインのボトルだった。日本でいうところのホットワイン専用のワインである。

    「温めるだけでいいんだ…良いね!それならこれとか、これも…一緒に食べたら美味しそうじゃない?」
    「ふふ、そうね。帰ったら作ってあげる」
    「ありがとう!ダーリンが優しすぎてモモちゃんトキメキが止まらないですぞ…!」
    「開けて並べるだけなんだけど」
    おかしそうにユキが笑う。幸せすぎてどうにかなりそう、なんてふと思った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    むる❄🍑@i7ym_mr

    MAIKING寒い日のユキモモ
    クリスマス兼ユキ誕話
    間に合えばユモカップのタグに載せたい(願望)
    力尽きてきました
    お昼までの収録を終えて外に出てみれば、12月にしては比較的暖かい太陽が出迎えてくれた。いつもなら寒くてマフラーに埋もれているユキの綺麗なお鼻が今日はひょっこり顔を出している。
    このあとは二人ともオフで、ぽかぽかとした陽気につられて出かけてみたい気分だった。

    明日はユキの誕生日。明日の仕事は夕方からなので、今日はこのままユキの家に泊まっちゃう予定だ。少し、いやかなり浮き立つ気持ちを隠せずにニコニコしていると、ユキが隣でふふっと笑みを零した。

    「モモ、上機嫌だね」
    切れ長の眼を優しく細めて、覗き込んでくる。アクアブルーの瞳の中に映り込んだ自分の姿を目に留めた。視線が絡まり、事実見透かしているであろうこの心の内まで覗き込まれているような心地になって、心を鷲掴みにされたように魅入ってしまう。

    「モモ?」
    訝しむように首を傾げるユキを見て、知らず止めていた息を吐いた。見慣れているはずの顔面への耐性はいまだに会得できていない。モモちゃんのスキルレベルはどうにもそこだけ上がらない仕様なのです。

    「えへへ…ごめんごめん!ユキがイケメンだから見惚れちゃった」
    「ふふ、知ってる」
    ふわりと微笑んで 2112

    recommended works